■10:00〜11:09 慶應義塾横浜初等部開設準備室長 山内慶太氏
(初等部部長就任予定)
現幼稚舎主事近藤ゆきひと氏が横浜初等部の主事に就任予定
◇どのような学校を目指すのか。 どのような子どもを育てたいのか。 これから入学する子が社会に出て活躍するのが21世紀半ば。45歳を迎えるのが2051年と想定。社会はその変化を更に加速させ、国際化・グローバル化への対応が強く求められています。その頃は様々な価値観・利害が錯綜する、複雑で変化の激しい時代になっていくことが考えられます。
横浜初等部では、独立自尊の精神を体現した将来の社会の先導者を育てるために、今の子供達を取り巻く環境と、子供達が社会に出て活躍する時代を共に見据えながら、新たな教育を創り出していきます。勿論、人間としての基本的な資質を育む年代である以上、新しさを殊更に衒うことなく、普遍的な教育を大切にしなければならないことは言うまでもありません。
入学間もない時期には、健康な身体と共に「律儀正直親切」な性質を養うことに力を注ぎます。律儀とは、自分のなすべきことを考え、それをまめに努めて行うことです。律儀とは、自分のなすべきことを考え、それをまめに努めて行うことです。
6年間を通じて、知力、体力、気力、表現力、人の心を思いやる力、異なる価値観を超えて協力する力、社会的責任感と倫理感など、多様な資質を育みます。
卒業する時に、その基礎が培われていることを期待する資質は、福澤諭吉先生以来の建学の精神に照らせば「身体健康精神活発」と「敢為活発堅忍不屈の精神」の二語に集約できます。
強健な身体、気力と快活さに富んだ精神、そして、弛まず積極的に事をなす姿勢、自ら思慮判断する智力に裏付けられた勇気があって初めて、将来の益々複雑で変化の激しい時代において、直面する様々な困難に粘り強く取り組むことができると考えるからです。
慶應横浜初等部は次の三つの柱を大切にします。
・観察・体験のなかで能動的に掴みとることを通じて自然・地域社会・国際社会等への理解と洞察を深める「体験教育」
・自己の目標や限界に挑戦し困難を克服する力を養う「自己挑戦教育」
・あらゆる思考の基盤となる読む力と書く力を養う「言葉の力の教育」
◇特徴
・ 授業は月〜土 週6日制
・ 1年生も5時限です。
十分な授業時間を確保します。でも誤解がないようにお願いします。校外活動を積極的に取り入れます。つめこみ授業は行いません。
「真のゆとりのある授業」を目指します。快速、急行電車にはなりません。
@ 授業時間数の確保
基礎学力をしっかりと身につけさせます。
例えば算数であれば、概念の理解を大切にします。感覚でつかみとれるように道具を使って数えたり計ったりします。そういう時間を大切にします。そのためにも授業時間を確保したいと思います。
A スポーツ・芸術 豊かな感性・個性を育む
慶応義塾は大学の様々な学部で人材を輩出しています。
学校生活において個性を発揮できる「余力」が無くなってしまいます。余力をつける意味での必要な時間だと考えます。
B自由な時間を確保
1年生の下校時間は3時を予定しています。
放課後、図書館などで時間を過ごせるようにしたいと考えています。読み聞かせなどを予定しています。
学童保育ではないが、放課後長い時間学校に残れることは共働き家庭の負担を軽くすることができるのでないでしょうか。
保護者会は平日の午前中の開催をなるべく避けるなどの配慮をしたいと考えています。
◇学校のこと
横浜初等部の場所は東急田園都市線「江田駅」から徒歩10分かからないの場所にあります。繁華街や商店街を通らず、閑静な住宅街を通って通うことが出来ます。環境面でも安全面でも恵まれた場所にあります。敷地は45000平方メートルあり、校庭は天然芝の予定です。水田、畑、ビプトープなどもあります。チョウチョウやカブトムシが集まりやすい木を選びたいと思います。
最近のお子さんは、大人の目が届く場所での遊びばかりだと思います。
自分たちでルールを作って遊びを作ることの経験は少ないのではないでしょうか。
想像性、コミュニケーション力を培ってもらうために、横浜初等部では、あえて“ふんわり”と教員はこどもたちを見守っていきたいと思います。
◇校舎について
予定通りに建築は進んでいます。来年1月には新校舎に引っ越して新入生を迎える準備をしていきたいと思います。
図書館は児童たちの中心なる場所と考えています。約1300平方メートル。
様々な好奇心を刺激、興味を起こさせ、創造性を発揮できる場にしたいと考えています。
◇授業準備室
専科教室の準備室のような場所を作ります。他校を見学させていただいてみると、専科教室は大変素晴らしい施設を要していても、授業を行うための準備室が整っていないことに気付かされました。横浜初等部では授業の質を高めていけるような、教員が使いこんでいける準備室を作りたいと思います。教員用の教材資料室も広くとり蓄積していきたいと思います。
◇教員人数
初年度は108名の児童を12人の教員で面倒を観ていきます。
6学年揃ったときには最終的に36名の教員を予定しています。
12名の顔ぶれは、慶應幼稚舎の先生、慶應湘南藤沢中高の先生、それ以外で教えていた先生などで形成されています。健康、安全面では慶応大学病院の小児科医が常駐します。
◇第一期生のメリット・デメリット
上級生がいないということをデメリットと捉えるのではなく、6年間常に最上級生でいるという責任感や主体性が培われると考えて良いのではないでしょうか。
私の経験上、新設学部や藤沢中高を見ていても第一期生は魅力的な生徒が多かったです。
◇学費・進学
幼稚舎との違いをよく聞かれるが、慶応義塾の理念を大切にしているという意味では同じである。
明確な違いという意味では分からないが、時代にあった教育を行っていきたいとは思っています。
横浜初等部は3クラス体制、2年ごとのクラス替えと担任替えです。(慶應幼稚舎は6年間同じクラス、同じ担任です)
学費は他の私立小学校よりかは高額になってしまいます。幼稚舎より高額になる予定。
ただ、環境・施設・教育を考えるとトータルでは決して高いものだと思いますが。
進学についてですが、中学からは全員湘南藤沢中高へ進学します。
湘南藤沢中高は「異文化交流」や「情報教育」を特色としています。
その後は推薦で大学全学部に進学できます。
湘南藤沢中高との連携で12年間の一貫教育となります。
◇入試・募集について
本来ですと普段の様子などを一人一人見させていただいたり、面接や個人テストをさせていただきたいのですが、現実的には難しいのでそのようなことはできませんが、お子様のありのままを見させていただきたいと思います。
特別な準備をして来た子どもだけが得をすることのないように可能な限りの配慮をしたいと思います。受験産業に振り回されることがないようにと願っております。
求められる子どもは、心身両面、並びに知的な能力と好奇心において年齢相応の発達があること。
次に幼稚園保育園そして家庭の中で、個人や集団での生活で必要な態度や習慣が身についていること。子どもらしい伸びやかさと力強さが欲しいと思います。
個性と性格を大切にしてください。受験学習などによってその子らしさを摘み取ってしまわないようにして欲しいと思います。
◇家庭に期待すること
・家庭教育への理解
学校が担うべき部分まで家庭で先回りし学校で得られた筈の経験、 自力で獲得できた筈の力を失う事の無いようにして欲しい。
・学校を大切にする姿勢の重要性
保護者は、学校と教員を信頼して欲しい。保護者が学校や教員を信頼していないと子ども達も戸惑ってしまうし、良い信頼関係を築くことができない。
◇最後に
・保護者が慶應の出身者であるかどうかいうことで選考するということはありません。
・個別の質問はお受けしていません。アンケート用紙に書かれた質問の中で、答えた方が良いと思った質問には後日ホームページに掲載する予定です。 |