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小学校受験新聞TOP関西 私立小インタビュー >帝塚山学院小学校 校長先生インタビュー
 

帝塚山学院小学校  文田雅夫校長先生(当時)インタビュー

帝塚山学院小学校
文田 雅夫 校長先生(当時)

帝塚山学院小学校の特徴を教えてください。

「高い志、豊かな感性、他への思いやりを大切にし、どの社会においても活躍できる、役に立つ人を育てる」という教育理念のもとに、「生きる力」を育てていくのが学院の特徴です。

「生きる力」というのは、「意思の力」、「情の力」、「知の力」、「躯幹の力」です。子ども達は、卒業してから、「生きる力」が身に付いていることに気づくみたいですね。本校は、大学院までを併設しています。ですから、長いスタンスの中で子どもの可能性を見つけて欲しいのです。可能性が自然に広がるようにもっていきたいのです。子どもの可能性を狭めてはいけないと思います。自然に身につけてゆくことが大切だと思っています。 

 

学習面での特徴を教えてください。

「生きる力」を、[知力・学力・体力][感性・創造力][国際力]に分けて活動しています。
[知力・学力・体力]とは、基礎基本の学力の充実と、新しいことへの挑戦と位置づけています。
そして、漢字検定、独自の計算検定などを取り入れ、学習への意欲を高めています。自ら進んで学んでいく「自学習」が身に付くように指導しています。5・6年生になると、中学校教育に繋がるように教科担任制をとっています。たくさんの先生が子どもたちを多面体な視野にたって指導しているので、先生と児童の距離が近いです。また、多彩な行事を通して人間力を高め、人との関わりを経験出来るように配慮もしています。

[感性・創造力]では、芸術への関心を高め、感性を育てる教育をしています。音楽・図工・書道は専科の教員が指導しています。書道は、畳の部屋に座って書きます。珍しいかもしれませんね。中高への連携も考え、芸術棟で感性の教育もしています。廊下にはたくさんの作品を展示し、いつでも感性の高い作品に触れることが出来るようにしています。図工の時間は、一人ひとりの感性を大切にし、豊かな想像力を持つような造形活動をしています。全紙(B1)や全紙の2倍の大きさの画用紙を使って、のびのびと表現することに取り組んでいます。

[国際力]では、1年生から6年生まではネイテイブとの楽しい英会話、5・6年生は、小中連携による英語の授業を行っています。授業ではオールイングリッシュの形態にし、聞く力・発音を重視しています。


行事面での特徴を教えてください。

行事を通して人間力を高めて行きたいので、多彩な行事を行っています。

一学期は、入学式、修学旅行、七夕祭り、臨海学舎、キャンプ、国際交流。

二学期は、体育大会、秋の遠足、体力テスト、音楽会、世界祭、お餅つき。

三学期は、書き初め展、耐寒遠足、美術展、6年生を送る会、卒業式、スキー学習。   

姉妹学級も作って活動しています。姉妹学級というのは、1年A組と6年A組で姉妹学級になって、お弁当を教室で食べたり、百人一首大会に出ます。

 

どのような子どもに育てたいですか。

「高い志、豊かな感性、他への思いやりを大切にし、どの社会においても活躍できる、役に立つ人を育てる」という本校の教育理念にもあるように、豊かな感性を育てたいですね。

感受性を高め想像力を高めて初めて、他への思いやりが生まれると思うのです。この「感受性」は、生きていく上で最も必要な事だと思います。だから、私は、子どもたちに「どんな天気ですか?」とは聞かずに、「風はどう感じますか?私は〜ですが、皆さんはどうですか?」と聞きます。感受性豊かな子どもになって欲しいから、「どう受け取っていますか?どう感じていますか?」と常に問いかけているのです。

「挨拶」、これは形に見えます。ちゃんと立ち止まって挨拶すると、挨拶されたほうも挨拶した方も気持ちが良い。だから、きちんと挨拶しましょうと言います。「言葉使い」、これも大切。うまくいかないとき、つい荒っぽい言葉になります。私は、「出した言葉はひろえないよ。」と言うのです。「相手の気持ちになって考えなさい。」と言います。相手の気持ちになって考える、これが想像力でしょ。「どう受け取っていますか? どう感じていますか?」と問いかけることが、想像力の元だとおもうのです。だから、私は子どもたちに問い続けています。

教育全体を考えてみても、「考える」ということが身に付いていないお子さんが多いように思います。短絡的で、イコールが多いです。指示待ち人間が多いです。これも、想像力・創造力が無いからだと思います。
私は、今も昔も子どもの本質は変わりないと思っています。子どもの「伸びてゆく力」は変わっていないと思います。ただ、育った環境によって「伸びてゆく力」は、伸びたり縮められたりしているかも知れません。与えられすぎて「想像力」が不足しているのかも知れませんね。

子育てを、生活を、もう一度見直した方が良いと思います。例えば、本校では入試に「給食」の時間があります。でも、「食べきる」事が出来ないお子さんが多いです。それを保護者の方にお話しても、「それで困っているんです。」とはおっしゃいますが、「工夫しています。」というお答えはありません。「主人もきらいですが、大人になっています。」と続ける方もありますよ。「食育」は、親の力、大人の力ではないですか? 真剣に子どもに向き合って欲しいですね。

 

これから小学校受験をされるご家庭に伝えたいことはどのようなことですか。

入試をきっかけにして親子関係・夫婦関係を見直して下さい。「親の自覚について考える」ところから、入試を考えてください。子育てをしっかり見直して下さい。家族の関係を見直してください。そうすれば、どんな小学校でも合格出来ると思います。我が子の良いところを見つけようと心がけて下さい。

プリントのテストは、図形・位置・数・常識・お話しの記憶等 約40問出題いたします。

口頭試問では、お子さんの回答を知りたいのではなく、ご家庭でのお子さんへの接し方を見せていただいています。例えば、「食器を割った時には、何と言いますか? そうすると、お母さんは何と言いますか?」とか、「お友達のお家に遊びに行き、お菓子をごちそうになった時に、帰ってからお母さんに何と言いますか?」などと質問します。

行動観察では、生活習慣が身に付いているかを見ます。靴を脱いで絨毯にあがる。その時、靴をどうするのか?わざと脱ぎ散らかした靴を横に置いておくこともあります。そんなときどうするのかを見ます。はさみの返し方も大切。のりは、壷のりを使用します。手が汚れるので、洗う。この時、ハンカチを先に出して手を洗い出すお子さんもいますし、先に手を洗って、さてどうやってハンカチを出そうかと戸惑う子もあります。そこで、こちらがタオルを貸しますが、「ありがとう」が言えるかどうかをみます。椅子もきちんと戻して欲しいですね。ジッパー付きの袋を渡して、操作が出来るか等で、手先の動きもみます。

本校は、「給食」を食べることも試験の1つです。肘をつかない。好き嫌いをしない。食べきる。

H21年度のメニューは、チンジャオロース、春雨の和え物、オニオンスープ、白飯でした。やはり、ピーマンを除いているお子さんがいました。

生活習慣を身につけることが、学習習慣を身につける事だと思います。生活習慣が身に付いているから、忘れ物をしないし、授業を聞けるのだと思いますよ。ですから、まずご家庭で生活習慣を身につけるようにして下さい。

 

 

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帝塚山学院小学校紹介ページはこちら 【小学校受験新聞】

取材協力 幼児教室 けいkids+

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