立命館小学校 浮田恭子 校長先生 インタビュー
2010年5月 立命館小学校 浮田恭子新校長先生にお会いしました。 立命館小学校のことについて色々とお答えいただきましたのでご紹介いたします。
今春(2010年4月)から、学校生活や学習において変更した事があるとお聞きしましたが・・・1. 開校以来掲げてきた教育の4つの柱(確かな学力、真の国際性、豊かな感性、高い倫理観)をさらに充実する学校生活を実現するためにいくつか変更を行いました。そのうちのひとつとして中休みを15分から20分に延長しました。15分間はしっかり遊んでリフレッ シュし、延長した5分で教室移動をしたり、授業の用意をして心を落ちつける事が出来るようにしました。 また放課後の時間を自由遊びや補習等に有効に使うために最終下校時刻を15分延長しました。 2. しっかり一日の学習の定着を図れる様に、全学年で「寺子屋」 の時間を2コマにしました。「寺子屋」の時間は、教師と生徒のより深い信頼関係を築く時間でもあります。寺子屋の時間に引き続いて適宜放課後補習や補講も行うことにしました。 3. 算数の授業において「全学年ティームティーチング制度」を取り入れました。これは、1クラス30人の一人ひとりの学習進度に対応する為のもので、一人ひとりの児童の理解を確実にするために2人の先生がクラスに入り、細やかな指導をしていきます。 4. 学年当初の会議で、一日のありとあらゆる時間を活用して個別学習支援や補習を行うよう確認しました。学習は学校内でフォローしていますので、保護者の方には安心していただけると思います。 5. 「学習者中心の教育」をますます強化するために教員研修会を設けました。そこでは、先生方が「気づきのある授業」をするためのアイデアを出し合って研究して います。学習者中心の授業の中で、子ども達は「発見」と「創造」を学んで行くので す。インプットだけの授業ではなく、アウトプットを大切にする授業をしていきます。
※浮田先生は、1991年に高校の英語の教員として立命館学園に入られたそうです。その後、中等教育部において、中高一貫教育に携わってこられました。そして、小学校からの16年をかけて、21世紀の国際社会に求められる有為の人間を育成しようとする立命館学園の壮大なプロジェクトに、小学校設置準備室長として参加されたのだそうです。浮田先生は、「小学校から預かって立派な人間に育てるというのは、とても大きなチャレンジです。でも、日本の教育を振り返ってみますと、1980年代は世界から高い評価をもらっていましたが、今は課題が多いのではないでしょう か。今日までの日本の教育政策のうち、出来たこと、出来なかったことが明らかに なってきたように思います。そんな中で、私学らしい、そして立命館学園らしい人材を育成できることは非常に魅力的な取り組みです。立命館の一貫教育は、教育 本来の目標である「大いなる夢」への挑戦であると考えています。教育の入口から社 会への接点までのプロセスに関わるということはどういうことなのか。小学校から大学、大学院ま でを擁する立命館学園として、小学校のあるべき姿を追求しなければいけません。グ ローバル化した現代社会において役立つ社会人を育成しようとすれば、やはり小学校 からの教育が必要になってくると思います。」と、明るい顔で話してくださいました。
最近、人の話が聞けないお子さんが増えていると言われていますが、浮田校長先生はどう思われますか確かに、小学校の児童に限らず人の話が聞けないお子さんが増えていると思います。その原因のおおもとをたどれば、今のこの国の状況にいきつくのではないでしょうか。未来に展望が見いだせない、むしろ不安の方が大きい、そういう中で子どもたちは、ゆっくりと「聞いてもらう」という経験が十分でなく、むしろ指示されて動いたり、より失敗の少ない道を選ぶような雰囲気がつくられていると思います。社会不安の反映でしょうか。人と人との「FACE TO FACE」の関係も不十分になっています。 もう一つの原因として考えれるのは、子どもたちのことを考えるがあまり、私も経験があるのですが、親がつい先回りをして道をつけてしまい、子どもが主体的に考えるということが不十分になっているような気がします。色々と不安なことは多い世の中ではありますが、わが子の言葉をしっかり聞いてあげること、その言葉の向こうでわが子がどんなことを考えているのか汲み取ろうとしてあげること、そういう中で「聞いてもらえる」という安心感をもって育ったお子さんは、学校の先生やまわりのおとな、突然出会った他者の話も聞けるようになるのではないでしょうか。小学校は基本的に集団で学んでいく場です。人の話がしっかり聞ける、ということは、スムーズに学校生活を始めていく上でとても大切なことだと思います。。
立命館小学校へ入学をお考えの保護者の方にメッセージをお願いします子どもの可能性は無限です。
☆浮田校長先生は、一貫校としての立命館の中の小学校が、どうあるべきかという考えをしっかり持っていらっしゃる先生でした。
(22.5.13)
取材協力 幼児教室 けいkids+
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