近畿大学附属小学校 木原 晴夫校長先生インタビュー
近畿大学附属小学校の特徴を教えてください。近畿大学学園の教育理念「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」を基盤に教育活動を行っています。この言葉は、一見受け身的な表現ですが「人格の陶冶」、「人格の完成」を目指す言葉であります。 「叡智教育・・智をほりおこす教育」、 「道徳教育・・こころをみがく教育」、 「健康教育・・からだをきたえる教育」 の三大方針を掲げています。
学習面の特徴を教えてください。「叡智教育・・智をほりおこす教育」として、児童一人ひとりの個性を生かし、真の力が開花できる指導を目指しています。 そのために、少人数学級(1クラス30名)、教科担任制・専科制の導入(5・6年生は完全教科担任制)、奇数週の土曜日の有効利用、近小ゼミ(無料の放課後学習)を行っています。 「道徳教育・・こころをみがく教育」として、生活習慣の育成をはかっています。近小は昔から「道徳の近小」として有名です。よりよい社会生活を送る第一歩は、基本的生活習慣を理解し、実践できることです。とくに「あいさつ」を中心に、「片付け」「掃除」などに力を入れています。体験を通して豊かな心を育てるため、低学年で「学舎」を実施しています。学舎では、食事の仕方・お風呂の入り方・畳の部屋での過ごし方・洗面や歯磨きの仕方・寝具の片付け方・荷物の整理整頓などきめ細かな指導を行います。同時に、「自分は一人では生きていない。たくさんの方々のお世話をいただいて生きている。」ということを学びます。そして、「自分のことは自分でする。」ことを学び、みんなで助け合い、協力し合うことで「思いやりの心」や「感謝の気持ち」が生まれます。学校内で、「やさしくしましょう。」と教えるだけではなく、そのような環境を与えることが大切です。そこで、子どもたちは大きく成長します。1年生などは、たった1泊2日の学舎に行っただけで、自分に自信がつき、帰って来たときは顔つきが大きく変わっています。 「健康教育・・からだをきたえる教育」として、7月には6年生が臨海学舎に行きます。(今年度からは白浜白良浜を予定)臨海学舎では、90分間の遠泳に臨むのですが、完泳率は毎年ほぼ100%です。子ども同士が互いに励まし合いながら、自分の限界に挑戦するのです。1〜2月には全校で、耐寒マラソンをします。その集大成として、10Kmあまりの耐寒生駒登山があります。遠泳、耐寒登山などを通して強い身体と強い心が育まれます。
行事面の特徴を教えてください。体験学習として、4年生は、先人の偉業を学ぶ木曽三川・近江学習旅行。5年生は、三権分立をはじめ政治を学ぶ東京学習旅行。6年生は、自然と開拓の歴史を学ぶ北海道修学旅行に行きます。つまり、実地に学び、実地で感じるということになります。大学との連携もさかんに行っています。 医学部との連携教育として、医学部奈良病院の見学(6年)、文芸学部とは、伝統文化に触れる狂言鑑賞会(5・6年)、法学部とは、法廷教室での模擬裁判(5年)、農学部とは、食育の授業(1年)・ホタルの育成・作物の栽培収穫などがあります。 その他、全国コンクールで何度も金賞を受賞した、近畿大学吹奏楽部の演奏を鑑賞したり、近畿大学職員でもあり、アテネオリンピック競泳バタフライ200メートル銀メダリストの山本貴司さんに、水泳の指導を受けることがあります。 また、近畿大学本部キャンパス内にある英語村E3[e-cube]を訪れます。部屋に入ると会話はすべて英語という施設です。英語で楽しく話し、楽しく作って、楽しくゲームをします。英語でコミュニケーションをはかる楽しさを知る機会になり、オーストラリア語学研修(5年希望者)のよい事前学習にもなっています。
あやめ池新キャンパスについて教えて下さい。近鉄菖蒲池駅前でありながら、緑あふれるキャンパスが大きな特長です。 @自然とのかかわり Aよりよい人間関係を築く B教育内容の充実
進路指導について教えて下さい。進路指導にも力を入れています。 内訳は、医薬系大学を目指す医薬コースに10名、国公立大学を目指すアドバンストコースに13名、近畿大学を目指すプログレスコースに24名が進学しました。日頃の授業と近小ゼミ(無料)で、優秀な子どもたちを育てていますので、6年後の進路進学についてもおおいに期待していただければと思います。 近小はますますすばらしい小学校になります。 下のキャラクターは、私が描いている「近ちゃん」「小ちゃん」です。二人合わせて、「近小」です。 近ちゃん 小ちゃん
受験希望家庭へのメッセージをお願いします。本校の入学試験は、お話の記憶・数・比較・言語・図形といった一般的なもののペーパーテスト、集団活動、生活テストになっています。集団活動は、20人ぐらいのグループで、ボーリングや玉入れなどの遊びをルールを守ってなかよく活動します。生活のテストでは、着ていたスモックをたたむ、正しくお箸を使う、ちょうちょ結びをする、ファイルに折った紙を挟み込むなど、幼稚園や保育園での日頃の行動ができているかを見させていただきます。 最後に、近畿大学学園で育つ卒業生を紹介します。毎年、内部推薦制度で附属中学校高等学校に進学した児童の中から、高大の内部推薦制度で近畿大学医学部薬学部に進学する生徒がいます。この子たちは、小学校で身につけた「自学自習」の末に大学進学を果たし、「夢の実現」を目指しています。 本校が研究を深めている「問題解決学習」の成果だと考えます。 近畿大学附属小学校は教育理念「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」のもと、『真の生きる力』を育成しています。 追加取材 24.4.20
取材協力 幼児教室 けいkids+
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