城星学園小学校 脇田聰一郎教頭先生(当時)インタビュー
脇田聰一郎 教頭先生
城星学園小学校の特徴を教えてください
本校は、ミッションスクールです。
設立者ドン・ボスコの教育理念である愛と道理と信仰に基づいた教育法によって全人間教育に励んでいます。
キリスト教に基づいた価値観ということを具体的に言いますと、自分の力(大小に関わらず)を周囲の人(聖書では隣人と書かれています)に惜しみなく提供できる人間を育てることを目標にしています。
周囲の人とは、まず自分の周りの人間、家族であり、友人であったりしますが、自分の力や愛情を社会的な地位に関係なく見返りを求めずに注ぐという生き方が尊いのだと教えていく学校です。
ここに、このような歌詞がありますが、この詞がミッションスクールのあり方をよく示しています。素敵なメロディです。
「わたしをお使いください〜マザー・テレサの祈り」
主よ 今日一日 貧しい人や 病んでいる人びとをたすけるために
わたしの手をおのぞみでしたら 今日 わたしのこの手をおつかいください
主よ 今日一日 友を求める小さな人々を 訪れるために
わたしの足を おのぞみでしたら 今日 わたしのこの足をおつかいください
学習面での取り組みについてお話ください
全校あげて取り組んでいるのは「書く」ことです。「書く」ことによって、まず第一に「書いて考えること、考えて書くこと」によって学力を定着させます。
第二に、ノートをつくることによって学習習慣がつき、自分の学習スタイルを自ら発見していくことができます。そして、第三に、これが実は本来のねらいとするところでありますが、ノートづくりを継続することによって、持続力、根気、丁寧さ、緻密さ、達成感が養われ、精神力を強くすることを願って取り組んでいます。
今の子どもたちは、きわめて精神力が脆弱です。面倒なことは嫌い、すぐに答えを求める、安易に近道をする、ただ、これは子どもたちだけのせいではなく、子どもを取り巻く今の環境に起因していることも大きいかとは思います。
書くことは実に気の遠くなるような遠回りな学習法なのです。
本校では、「ノートづくりは人づくり」という標語を掲げて、全科目書いて考え、考えて書くという授業スタイルで学習指導を行っています。
そして書くことによって、精神力を強く鍛えようとしています。
一方、教科別に特徴の一部を言いますと、本校は専科制を取り入れています。
音楽、英語、体育、図工、理科、宗教は全学年専科の教員が指導にあたります。514名の生徒数に対して27名の教員が在籍しています。
算数では、四則計算の系統化をはかっています。これは、計算力の重視と徹底です。
国語は本校独自の教授法により授業を行い、1年から6年まで同じ形態でおこなっています。音楽は、3,4年生でソプラノリコーダーを終了し、5,6年生ではアルトリコーダーを全員が楽しんでできるレベルにまで達します。
英語は、週に2時間です。(全学年)話す(スピーク),聞く(ヒアリング)、読む(リーディング)に加えて、書く(ライティング)を1時間の授業の中に入れています。安易なゲームや遊びはせず、ネイティブの教師と日本人教師の2人で担当しています。
6年生では、全員が筆記体でアルファベットを書いています。体育の中で水泳は、隣接する室内プールを使用しております。天候を気にせず、取り組むことができますので、本校の子どもたちの泳力は高いと自負しております。また、道徳の時間の他に宗教の時間も週に1時間設けております。
どのような行事がありますか
体力づくりを目的とした行事を多く取り入れています。特に男の子は運動量を求めていますので、その学年に応じたスポーツ面での行事は様々に工夫を凝らしています。
運動会なども完成度の高い内容になっています。
その他、校外学習や宿泊を伴う行事では、体験や観察を重視した自然学習を行っています。特に環境問題を考えるにあたり、「水」をテーマにした系統的な学習をおこなっています。理科や社会科と関連させながら最終的には琵琶湖で合宿を行います。
また、近年、子どもの生活力の低下が叫ばれています。自分の身の周りのことは自分でする、当たり前のことができないお子さんが増えています。母親が手をかけ過ぎているようです。衣服の着脱や整理整頓、生活技術の鍛錬も集団生活の中で養います。
子育て中のご家庭に伝えたいことはどんなことですか
いろんな体験をさせて下さい。
頭だけの知識ではなく、実体験をたくさん持っている子が学校に入ってから伸びていきます。
核家族化が進み、マンションに閉じこもりがちな親子が多いと聞きます。子どもの社会性も幼児期に多くの人間と関わり、様々な経験をさせることで育まれるのです。
そして、今の時代だからこそ父権の復活が強く望まれます。父親の存在が薄くなっているのではないでしょうか。子どもを叱れない親が増えているようです。少し、フレンドリー過ぎるような気がします。子どもが間違ったことをした時には、父親は毅然とした態度で父親の目線でしっかり叱ることも大切なのではないかと感じます。
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取材協力 ぽぷら幼児童学園
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