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第一志望校は、私立小学校ですが、その結果いかんによっては、国立も受験したいと考えています。これまで私立向けに学習してきましたが、国立向け対策の学習は私立とは違うのでしょうか。どのように対処すればよいのか、アドバイスしてください。 |
久野泰可先生からの回答
原則を言えば、国立附属小学校受験については、私立小学校の受験の延長と考えていただいて間違いありません。ただし、抽選を含め国立附属小学校の試験方法については熟知しておかれたほうが良いと思います。
私立において、学校ごとの出題傾向はあるにしても、それらの基礎は全く同じです。幼児期における基礎教育の考え方をしっかり守って学習していれば、たとえ学校ごとの傾向はあるにせよ十分対処できるものです。
国立の場合も学校によって、かなりテストの傾向・テストの方法は違いますが、求められているものは変わりません。ですから、私立向けに勉強してきたことをそのまま生かせると考えてください。その前提の上で、それぞれの学校の特徴を押さえておく必要があります。
その傾向を、こぐま会において国立を専門に担当している「なでしこ教室」の責任者にまとめてもらいましたので、参考にしてください
国立附属小学校6校の入試の特徴
【お茶の水女子大学附属小学校】
ペーパーテストがない。しかし具体物を用いてのテストがある。
(シーソーや天秤を使用したこともあれば、触索の時もあり、様々なパターンがある)
行動観察、製作、運動、口頭試問、保護者面接もある。
月齢により、A・B・Cのグループに分けられる。
【筑波大学附属小学校】
ペーパーテストは、一つは「話の内容理解」、もう一つは「位置表象」・「図形」からの出題と
いった具合に、ここ何年間かはパターンが決まっている。
設問数が多く、スピードが必要とされる。
運動、製作、行動観察、口頭試問もある。
月齢により、A・B・Cのグループに分けられる。
【東京学芸大学附属竹早小学校】
ペーパーテストはない。口頭試問や行動観察(自由遊び)が主な課題である。
昨年は10年以上ぶりに保護者の面接や親子で取り組む課題が復活した。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】
ペーパーテストは、話の内容理解と運筆が毎年必ず出題されている。
その他には三角パズル(4〜5枚)を用いて、見本と同じ模様のものを作成する課題も必出である。
口頭試問、行動観察、運動の課題もある。
【東京学芸大学附属大泉小学校】
ペーパーテストは、常識課題の占める割合が非常に高いのが特徴的である。
行動観察、口頭試問、運動、製作もある。
【東京学芸大学附属小金井小学校】
ペーパーテストは、どこから出題されてもおかしくないほど、ジャンルが多岐にわたる。
基本問題が多いが、中には私立を彷彿させるような難しい問題も出題されることがある。
口頭試問、運動、製作もある。
(資料提供・「こぐまなでしこ教室」)
以上の分析を参考に、家庭学習の方針を立ててください。とくに筑波大学附属小学校の問題は、私立小学校の受験にも大きな影響力を持っていますので、かなり難しい問題が出題されると思います。その点については過去問をしっかりとあたってください。
5月から今年の受験生の皆様に家庭学習の参考になれば・・・・・という想いで、正確な入試情報、とくに学習面に関する子どもたちの取り組み・学校側の出題意図などを質問に答える形で書いてきました。
神奈川の学校の入試も来週始まりますし、また都内の小学校も11月1日から始まります。
私のコラムも、ここでいったん終了し、11月以降は、新たに1年後の入試に向けて頑張る新受験生を応援するための学習アドバイスを書かせていただくつもりです。
いつも真剣にお読みいただき、ありがとうございました。
受験生の皆様が、念願の学校に合格されますよう、心よりお祈りしております。
2012年10月20日 こぐま会代表 久野泰可
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