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都内の入試まで、残り1ヶ月もありません。焦る気持ちでいっぱいですが、最後のまとめとして何を点検すればよいのか、アドバイスしてください |
久野泰可先生からの回答
入試直前の学習は、実際の試験に近い形式で行う必要があります。とはいえ、家庭での学習は、基本的に「一対一」ですので、実際の入試よりは、条件が良い環境でのトレーニングということになります。
家庭ではできても模擬テストになるとできない理由の一つは、そうしたテストを受ける雰囲気の違いが微妙に影響しているはずです。すべてを本試験に近い形で行うことはできませんが、工夫次第でいろいろなトレーニングができるはずです。
入試直前の学習をどうするか。そのポイントをいくつかお伝えします。
1)
最近のペーパーテストは、大体平均的に6〜7枚のペーパーを使います。多くても10枚前後で、以前のように、20枚も30枚も使うことはありません。時間も大体25〜30分程度です。ですから1時間も2時間も長い時間をかけてペーパートレーニングをしても意味はありません。私は経験上、子どもがひとつのことに集中して取り組める時間は30分だと考えています。目先を変えていけば、1時間も1時間半も集中できますが、同じことについての学習は30分が限度です。その意味で、ペーパーテストが6〜7枚というのは理にかなっています。そのため、ご家庭でペーパートレーニングを行う場合は7枚程度をセットにし、それを30分以内に集中してテスト形式でやることが大事です。
2)
内容は理解しているのに、ペーパーで点が取れない多くの原因は、聞き取りの問題と時間制限だろうと思います。1回の指示をしっかり聞きとる・・・これこそが合否の分かれ目になる点です。ですから、時間が取れない場合の学習は、問題を解かなくても構いませんから、質問したあと問題の意図を子どもに言わせるというトレーニングが有効です。また、時間制限について学校側が見たいのは集中力です。集中力があれば、短時間に処理できると考えているため時間制限をするのです。逆に言えば、仮に時間内にすべてできなくても、決定的なダメージではありません。そのことより、できないことにこだわらないで、次の問題を平常心で聞く練習が必要です。
3)
夏以降難しい過去問や、予想問題に挑戦してきた結果、少し自信をなくしている場合があるかもしれません。これから入試まで行うべきことは基本問題を落とさないということです。そのためにもう一度、各領域の基本問題を確認すべきです。最近の傾向を見ながら点検すべき基本問題の項目を挙げてみましょう
(ア) 未測量 シーソー つりあい お話による関係推理
(イ) 位置表象 左右関係の理解 四方からの観察 地図上の移動
(ウ) 数 一対一対応 一対多対応 数の増減 交換 数のやりとり
(エ) 図形 図形構成-図形分割 対称図形 重ね図形 回転図形 図形模写
(オ) 言語 一音一文字 しりとり 同音異義語 話の内容理解 お話作り
(カ) 推理 観覧車 魔法の箱 並び方の法則性
(キ) その他 常識問題 手先の巧緻性
残り10日間で、以上の項目の基本問題を3回繰り返すこと。
できれば子ども本人に問題を見せて「これはどんな問題かな?」と投げかけ、子ども自身が問題を作り発問できれば、それに勝る練習法はありません。
入試直前になったからといって、勉強量を増やしたり、また逆に減らしたりしないで、普段と同じ生活リズムを守りながら入試本番を迎えることが大事です。
一番良いコンディションで入試を迎えるためにどうするかを考えてあげてください。体の健康管理だけでなく心の健康管理も必要です。余分なプレッシャーをかけないよう、よき親子関係作りに配慮してください。
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