「科博」(国立科学博物館の愛称)は明治10年に「教育博物館」の名称で開館してから130年以上の歴史を重ねてきました。国立科学博物館・上野本館には、「人類と自然の共存をめざして」を常設展のテーマとした日本館と地球館の2つの展示館があります。日本館は平成19年4月にリニューアルオープンして「日本列島の自然と私たち」を、地球館は平成16年11月にグランドオープンして「地球生命史と人類」を、それぞれテーマにしています。
良質で豊富な実物標本資料を中心に、フロアごとに展示テーマを設け、メッセージ性を重視することにより、常設展示のメインメッセージである「人類と自然の共存をめざして」を体系的に、分かりやすく伝えられるような展示構成としています。「生き物たちが暮らす地球の環境を守り、人類と自然が共存可能な未来を築くために、どうすればよいのか」を人々と共に考えていきます。
「地球生命史と人類」をテーマとする地球館では、地球の多様な生き物が、お互いに深く関わり合って生きている姿、地球環境の変動の中で生命が誕生と絶滅を繰り返しながら進化してきた道のり、そして、人類の知恵の歴史を展示しています。
平成19年4月に一般公開した日本館では、「日本列島の自然と私たち」をテーマとし、日本列島の自然と生い立ち、日本人の形成過程、そして日本人と自然のかかわりの歴史を展示しています。私たちが、日本列島の自然環境や、日本人の祖先がさまざまな創意工夫に基づいて生み出した文化に愛着と誇りを感じることができるような、また、日本を訪れる外国の人々に対して、日本の自然とそこに暮らす日本人の姿を簡潔にわかりやすく伝えることができるような展示になっています。
これらの展示室では、詳しい解説や個々の展示物の解説は展示情報端末でも提供し、研究者の解説を聞くことができる音声ガイド(PDA)を用意するなど情報技術(IT)を効果的に活用しています。 |