四天王寺学園小学校 林 勲 校長先生(当時)インタビュー
林 勲 校長先生(当時)
四天王寺学園小学校の紹介をお願いします。
四天王寺学園小学校は、平成21年4月に開校した小学校です。
四天王寺学園小学校では、総合的な学力とともに、豊かな情操と道徳心を兼ね備えた「学力兼備」の児童を育てたいと考えています。高い学力も、豊かな情操や道徳心があって初めて意味があると言えるからです。学力面については、すべての知的活動の基礎となる国語教育を重視し、「日本語」の時間や「読書」の時間を設け、表現力や想像力などを養っています。道徳面については「宗教」の時間を中心に、建学の祖である聖徳太子の仏教精神に基づく人間教育を行い、他者と共に生きる基本的な倫理観や社会性を養い育てています。
四天王寺学園小学校の学びを通じて、世界の平和や人々の幸福に貢献しうる青年を育てて行きたいと考えています。
学園訓は、
一、和を以て貴しとなす
一、四恩に報いよ
四恩とは
国の恩
父母の恩
世間の恩
仏の恩なり
一、誠実を旨とせよ
一、礼儀を正しくせよ
一、健康を重んぜよ
です。
これは今から1400年前の聖徳太子の考えをもとにしていますが、時代を超えた普遍的原理ですね。保護者の方にも受け入れ易いと好評です。
四天王寺学園小学校は、小中9年の一貫校です。9年間を2分して、小学1年から4年までを前期、小学5年から中学3年までを後期として学びを進めます。前期終了時までに小学校配当漢字と、算数の基礎である四則演算の基本を習得させる予定です。後期の教育についても、保護者の皆様に満足のいく教育を用意しています。
9年の一貫教育ですので中学校進学コースは設けません。
女子の場合は、併設校の四天王寺高等学校への内部進学が認められますし、男子では、やはり併設校の四天王寺羽曳野高等学校への内部進学が認められます。
四天王寺学園小学校の教育の特色を教えてください。
四天王寺学園小学校は、建学の祖である聖徳太子の仏教精神を礎に「知育」「徳育」「体育」と、
古来より私たち日本人が大切にしてきたものを継承することに重点をおいた教育に取り組んでいます。子どもたちの旺盛な好奇心をかき立て、一人ひとりの潜在的な能力が最大限に発揮できるような指導体制を構築し、のびのびと学習できるための教育環境を整えています。
教員と児童の信頼関係はもちろん、子ども同士の好ましい人間関係を築きながら「一人ひとりを理解する」指導を学校全体として進めています。
『知育』
授業は、単に知識を詰め込むという受け身の授業ではなく、「なぜ?」「もっと知ってみたい」という子どもたちの自発性を引き出す授業を行っています。学んだ力(知識や技能)、学ぶ力(思考力)、学ぼうとする力(学習意欲)という3つの学力を総合的に育成し、子どもたちが成長とともに自らの学びを深め広げていくような教育を行っています。
具体的には、「モジュールタイム」を1日2回設けています。
「日本語」の時間の15分間と、「数(かず)」の時間の10分間です。毎日、コツコツと学習することによって、子どもたちの基礎学力と集中力を高め、学ぼうとする力(やる気)をひき出して、学んだ力の習熟と新たな知識の習得を図っています。
四天王寺学園小学校では、学業の基礎は「日本語」だと考えています。ですから、思考力を養うためにも国語の学習を充実させています。モジュールタイムでは漢字の読み書きのほか、ことわざや四字熟語等を学習しますし、和歌、俳句なども用いて日本語特有のリズムや美しさを感じ取るように指導しています。
「英語教育」の重要性は理解していますが、まず、「日本語」をしっかりと身につけて欲しいという考えから、低学年では「日本語」を学びます。そして、3年生から週に2時間の「英語」の時間が始まります。
『徳育』
四天王寺学園小学校では、感謝の気持ちや道徳心を身につける礼拝、集中力を高めるための授業前の瞑想、豊かな心の学習を行う「宗教」の授業が週1回あります。
「宗教」の時間では、人間として生きる正しい道、美しいものを美しいと感じる清らかな心、宗教を通して気高い心の持ち方を学びます。聖徳太子の教えである「和の精神」を毎日の学校生活で実行できるように、学校訓をみんなの心のよりどころとして実践しています。
また、月1回全校児童が各界の専門家から仏教講話や教育講話を聞く「ともいき(共生)タイム」という時間を設けています。保護者も参加できます。この「ともいき(共生)タイム」を通して、共に生きる喜び、感謝の気持ちを育み、菩薩のような慈愛に満ちた人間像を希求して欲しいと思っています。
『体育』
学校訓にもある「健康を重んぜよ」を実践しています。
健康や体力は人間が成長し、創造的な活動を行っていくのになくてはならないものです。だからこそ、子どもたちに運動の楽しさ、喜びを存分に味わわせ、積極的に運動に親しむ資質を育てています。そして、体力づくりのもうひとつの側面である食を大切に、「学校給食」を通じて健康の保持と、体力の向上を図っています。本校の「学校給食」は、栄養バランスのとれたメニューで、できたてを食べられるように自校式給食を取り入れています。
子どもたちにも、保護者にも大変喜んでいただいています。
その他、自立心と協調性を養うために宿泊学習を行っています。2月にはマラソン大会を行いますし、高学年では登山を行う予定です。
中庭のウッドデッキと天然芝のグラウンドは本校の自慢です。子どもたちは太陽の光をいっぱい浴びて走りまわっています。休み時間だけでなく様々な学習活動やランチスペースにも幅広く活用できます。また、中休みの20分間は「パワーアップタイム」を設け、全児童と教員がグラウンドに出て、竹馬コーナー、リレーコーナー、ボール運動コーナーなどの運動に、クラスや学年単位で元気に挑戦しています。
体育館は、バスケットコートが2面とれる広さがあり、雨の日でも子どもたちは元気よく活動することができます。プールは7コースあり、成長に合わせて対応できるよう、低学年用と中・高学年用に水深を分けています。武道場もあります。心と体を鍛える日本伝統の武道を通じ、礼を学び、「和」の精神にふれながら、たくましい心身をつくりたいと考えています。
入学考査について教えてください。
文字・数字は出ません。
ペーパー考査は、設問説明や訂正の仕方などを含めて約30分で8枚の問題をします。短時間内に仕上げる力が必要です。問題は、数の増減、しりとり、重さ比べ、お話の記憶、点図形など、全範囲からまんべんなく出題します。
訂正の方法はその年度によって違います。ここでも聞く力が必要です。
集団考査は、グループに分かれて約30分間、製作活動をします。細かな指示を出しますので、聞く力が必要です。
運動能力考査は、指示運動・基礎運動です。高度な技が要求されるものは出ません。マットや平均台、跳び箱を使った運動が出ます。所要時間はやはり30分間です。
生まれ月に関しては考慮します。当日、体調がすぐれないお子様には、保健室受験も可能です。受験番号は生まれ月でまとめています。
また、親子面接も実施します。ご家庭での様子を伺います。
面接当日に提出していただく保護者アンケートもあります。
受験家庭に望むこと
本校の教育方針をご理解いただいているご家庭のお子様に受験していただきたいと考えています。つまり、聖徳太子の仏教精神に基づく人間教育を行う学校であること、小中一貫教育校であること、保護者と教員が同じ目線で子どもたちを育んでいこうとしていること、
教育活動にすすんで協力していただきたいこと等をご理解いただけるご家庭のお子様に受験していただきたいですね。
四天王寺学園小学校 校舎
四天王寺学園小学校HPはこら
取材協力 幼児教室 けいkids+
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