第21回
7〜8月の夏休みもあっという間に終わってしまい、やり残した課題が多く、少し焦りを感じていらっしゃる方が多いかと思います。しかし、焦っても良いことは何もありません。現在の子どもの状態を冷静に把握し、これから本番までの2ヶ月間の学習方針をしっかりと打ち出さなくてはなりません。例年、8月の終わりから9月初めにかけて見られる子どもの変化の内、子どもから発せられる見逃せないいくつかのサインがあります。それをしっかり受け止め、一番良い状態で本試験を受けなければなりません。見逃せないサインとは
1.出来不出来に敏感になりすぎ、解からないと隣の子の答えをのぞき見する
2.解らないことがあると、突然泣き出し、取り組むことそのものを投げ出す
3.勉強を拒絶するようになる
4.トイレが近くなり、授業中3〜4回もお手洗いに行く子が増える
5.チック症状が見られる子が増えてくる
6.○の書き方一つとっても、雑になる
7.暗算ができていた子が、突然指を使い始める
こうした子どもの変化には、必ず理由があります。その多くが、プレッシャーからくる症状です。それは、勉強を取り巻く人間関係や環境の変化についていけず、子どもが精神的に非常に追い込まれている証拠です。とくに、母子の関係が悪化し、また、塾での教え込み・スパルタ教育に拒絶反応を示しているのです。また、夏の頑張りの反動という側面もあるかもしれません。
しかし、夏の頑張りが生きてくるのはこれからです。それを信じ、これまで積み上げてきたことを繰り返して、前に進むしかありません。この時期に至って、母親が塾をつまみ食いするようなことをしたら、結局影響を受けるのは子どもです。これまで行ってきた準備教育を信じ、より徹底して最後のまとめを行うことが必要です。ここにきて方針を変えるようなことがあってはなりません。これまで学んできたことを反復練習する徹底さが必要です。あれもこれも抱えようとすると全てが未消化で終わってしまい、効率の良い対策はとれません。
これからすべきことは、いかに自信を持たせるかです。いかに自立した思考・自立した行動がとれるかどうかです。その意味で、緻密な学習計画が必要です。それにはまず、過去問をしっかり分析し、求められている能力をしっかりと把握することです。入試の実態を反映しない難問奇問に取り組むことは、時間の無駄です。それよりも、最近よく出題されている問題の背景を深く理解し、同じ趣旨の問題が出題されても、対処できるような、力を蓄えておくことです。その新しい傾向の問題は、次の12のテーマが中核になっています。
@ つりあいの応用問題
A じゃんけんによる関係推理
B 個別単位の考え方
C つみ木を使った四方からの観察
D 飛び石移動・旅人算の考え方
E 一種類と二種類のものが交換できる条件での交換問題
F 一場面を使った数の総合問題
G 三角形を基本とした図形構成
H 正方形を基本とした図形構成
I 線対称(鏡映像・折り紙を含む)
J ことば作り
K ことばつなぎ
以上12のテーマに関する問題が、最近の入試でよく出題されています。おそらく、この中から、難問とされる問題が今年もたくさん出題されるはずです。新しい考え方に基づく問題が、他校に波及するスピードが早くなりましたので、入試全体としての傾向をしっかり把握した対策を取らなくてはなりせん。パターン練習では解けない問題をどう作るか、考える力が求められる問題をどう作るか・・・学校側も必死です。そのため、ある学校で出題された問題が、翌年違う学校で出題される現象が昨年度は沢山見られました。その意味で、その学校で過去一度も出題されたことのない問題が、突然出題される可能性は十分ありますので、上記12のテーマに関する課題は、しっかり学習しておいてください。
※「新傾向の12のテーマ」に関するこぐま会の講座はコチラ
http://www.kogumakai.co.jp/course/school/3109.html
最新 久野先生のコラムはこちら (こぐま会HP 室長のコラム)
こぐま会教材はこちら
推薦コラム
|
室長コラム 第368号「今年の入試から何を学ぶか 正確な問題分析を」
こちら |
室長コラム 第353号「入試本番を一番良いコンディションで迎えるために」
こちら |
|
☆こぐま会トピック
・年長児対象「(9月特別講座)女子難関校共通 新傾向の問題講座」 こちら
・年長児対象「入試対策クラス(ステップE)」 こちら
・年長児対象「(吉祥寺教室)入試対策 行動観察実践講座」 こちら
・年長児対象「学校別模擬テストE(9月15日、22日、29日)」
こちら
・年長児対象「模試 雙葉/聖心/東京女学館(9月15日、22日)」 こちら
|
|