第16回
基礎段階の学習を終え、過去問を中心に難しい問題に取り組んでいることと思います。
受験問題の中心になる「数」については、今の段階でもう一度理解度をチェクし、解決していない問題をしっかりトレーニングした後、「難問」に取り組む必要があります。数に関する入試問題は「複合問題」が多く、一度答えを出して、その答えに基づいて別な数の操作をする…といったように、一つの問題を解くために、いろいろな数の操作が同時に求められています。苦手なところを放置してしまうと、こうした複合問題でつまずいてしまいます。
「数の操作」に関するどうしても外せない以下の15項目について、もう一度理解度をチェックしてください。
@ 二つの数の違いがわ分かる
A 〜より〜個多い(少ない)数が理解できる
B 話を聞いて、「数の合成」「数の分解」を暗算することができる
C おはじきを使い、次にペーパーで、最後は暗算で、数を2〜4等分することができる
D かけ算の基礎となる、「一対多対応」がしっかり理解できている
E 数のまとまりを作る「包含除」の操作が理解できる
F 5〜10までの数について、「数の構成」を暗算で答えられる
G 3×3方眼を使って10の構成が素早くできる
H 話を聞き、2段階に変化する「数の増減」について暗算できる
I 同数からスタートした二者間の「数のやりとり」が理解できる
J 一対多対応・包含除の考え方を応用した「交換」の問題が理解できる
K 「魔法の箱」による数の変化の法則性を発見し、適用できる
L 一対多対応が絡んだ、「数の複合問題」が解ける
M 話の内容理解の中で数の変化を捉え、暗算で答えを導き出すことができる
N 一場面の絵を使った、「数の総合問題」に対し、素早く答える事ができる
以上、数の操作に関する大事なチェック項目を15ほど掲げましたが、同じ課題でも難易度はまちまちです。
どんな問題でチェックするかは大事なことですが、こぐま会で出版している「ひとりでとっくん」シリーズを使っていただくのが手っ取り早いと思います。難易度の違う問題が、30枚のペーパー問題に順番に並んでいますから、どこまで理解していて、どこから分からなくなるかがチェックできるはずです。
その上で、最近よく出題される新傾向の問題にチャレンジしてください。できない場合は、一度基本に戻り繰り返しトレーニングしてください。
今のトレンドは、「一対多対応」「交換」「数のやりとり」「一場面の絵を使った総合問題」です。
決して解き方を記憶させたり、パターンで教え込むことはしないでください。自分で考え、自分で解く力を身につけなければ、現在の工夫された入試問題には対応できません。
「教え込みの教育」を受験教育から排除しなければ、子どもたちの「考える力」は育たないということを、各小学校は、出題する問題を通して受験者にメッセージを送り続けているのです。
そのことに気づかない教え込みの指導法が、受け入れる小学校側で大きな問題になっています。型にはめ込んだ教育では、将来伸びないということを一番よく知っているのは、現場の先生方です。そこから発せられるメッセージを真摯に受け止めなくてはなりません。
受験に向けた準備教育が正常化されるのを一番願っているのは、子どもたちを受け入れる小学校の先生方だと思います。
苦痛以外の何物でもない厳しい環境の中で、教え込みの指導受けてきた幼児たちは、入学後、学ぶことへの興味・意欲を持てず、無気力な生徒になってしまいます。そうならないためにも、自分で考え、自分で答えを導き出す過程を大切にしてください。
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