久野泰可先生から皆様へ
4月から今日まで、小学生受験新聞のコラムに執筆させていただき、また多くの皆さまにお読みいただき、大変ありがとうございました。3月に小学校受験新聞の方とお会いし、小学校受験で大変苦しんでいるご家庭が多いので、実際の現場を担当している先生から、「間違った受験対策にならないようアドバイスをお願いしたい」というお話をいただきました。そのお考えに賛同して、毎週1回ずつ、質問に答える形で書き続けてまいりました。このシリーズは今回でいったん終了させていただきますが、また現場の人間がもの言う必要があれば、これまでの経験をお話させていただこうと思います。
ネット社会の普及で、掲示板をはじめ、さまざまなブログで小学校受験が語られていますが、匿名を理由に、事実に反した意見や、広告宣伝と思われる記事、また誹謗中傷にあたる記事などたくさん目にしてきました。私は、正しい情報と現場からの意見を、書き手の名前を明らかにした上で、述べるべきだと考えてきました。今回は間違った受験対策にならないようにという想いを、これから受験を目指す皆さんに向かって書き続けてきました。批判も承知の上で、自分の考えと経験を明らかにしてきたつもりです。
受験を通して子どもをつぶさないためにも、名前を明らかにして堂々と議論すべきです。そうでないと、もともと情報が公開されず噂話が先行するお受験界をますます混乱させる結果になり、それは受験を目指すご家庭を混乱の渦の中に落とし込めることにもなりかねません。学びのスタートの時期を、いやな思いで過ごすくらいなら、はじめからお受験などしない方が、その子の将来のためには良いと思います。幼児期の基礎教育の延長に受験があることをしっかりとらえ、受験のための学習と、それを取り巻く人間関係の悪化によって、人格を破壊したり、学習することを嫌いにさせないためにも、しっかりとした理念を持って取り組むべきです。自分ですべてを判断できないことが多い幼児が対象だからこそ、周りの大人の気配りが必要です。
36年間もの間、小学校受験の指導の現場に身を置いて、幼児期の基礎教育を実践してきましたが、今はっきり言えることは「お受験」は特別な教育ではなく、学習を含めた「まともな子育て」の結果として取り組んでいけるものだと思います。将来の学習の基礎を作る大事な幼児期の教育に、ひとつの目標として「お受験」を据えれば、家族一丸となって取り組む価値は十分あると確信しています。お受験がゴールではなく、新たな学習のスタートでもあるということをしっかり認識し、子どもをつぶす間違ったお受験対策にならないよう、一歩一歩前進してください。
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