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来年秋に受験するものです。どのような考えで受験対策を考えたら良いですか (第2回目) |
久野泰可先生からのお答え
前回に引き続き、正しい受験対策の進め方をお伝えします
第一志望校を早く決めてください
最近では、学校側も、第一志望なのか併願志望なのかを見極めたいと、いろいろ工夫しています。補欠合格の動きを少なくするため、必ず入学してくれるご家庭の子をとりたいと考えています。そうしたことも含め、早くから第一志望校をどこにするかを決め、その対策を考えなくてはいけません。中学校入試や高校入試のように、模擬テストの結果を見て、学校を選ぶというような発想は、小学校受験にはあてはまりません。通わせたい学校を早く決め、合格に向けてどんな準備が必要かを考え、対策をとることが必要です。世間的な評価ではなく、ご家庭の考え方と学校の教育方針が一致したところを選んでください。そうでないと、一番苦労するのは子ども自身です。
学校別対策は大事ですが、その前に幼児期におけるトータルな基礎教育が必要です
小学校の入試は、出題の根拠となる教科書がありません。また学校によって出題内容や出題方法が違います。ペーパーテストのない学校・数の問題が全く出されない学校・絵本を使って長いお話の中に、様々な問題を取り入れて出題する学校・・・・と様々です。ですから入試対策として、すぐにその学校で出題された過去問をトレーニングすることになりがちですが、それは間違いです。幼児期における基礎教育が前提となって、その上で過去問を学習の対象にすることは間違いではありませんが、最初から過去問をペーパーでトレーニングすることなど、できるはずはありません。過去問トレーニングは入試半年前ぐらいから取り組めば十分です。基礎ができていないところに、過去問トレーニングをするとなると、自分の力では解けませんから、当然教え込みになるわけです。そんなやり方で応用する力など身につくはずはありません。同じ問題が出るならともかく、ほとんどの場合、入試問題は子どもにとっては初めての問題です。その時、自分の力で解いていくことができなかったら、何のための過去問トレーニングかということです。学校別の対策はしっかりと行わなくてはなりませんが、それは基本となるものの見方や考え方をしっかり身につけてから行うべきもので、最初から過去問に取り組ませることなどは、決してしてはいけません。入試1年前から過去問を解くだけの力は残念ながら誰にも身についていません。入試問題を自分の力で解けるようにするために、事物を用いた基礎学習に時間をかけるべきです。
1年間の学習計画をしっかり持ち、ゆとりを持って一歩一歩前進してください
間違った受験対策は、お母さんの不安の表れでもあります。これで良いという自信が持てないと、噂話で足元をすくわれてしまいます。不安の一番の原因は、見通しが持てないことでしょう。何から始めてどのような順序で学習したら良いのか、また子どもの理解力が本当に伸びて、受験で求められる能力が身につくのかどうかなど、先が見えないことからくる不安でいっぱいです。上の子で一度経験している方は、見通しが持てますが、初めての受験の方にはそれが持てません。ですから見通しを持つためには
1・通う教室の一年間のカリキュラムを信じ、それに沿って学習を進めること
2・実際に入試に出た問題を見て、何が求められているのかよく分析し、何が基礎で何が応用かをしっかり押さえておくこと
3・ひとつの課題がどのように難しくなっていくかを、例えば「ひとりでとっくんシリーズ」100冊を見て知っておくこと。同じ単元でも最初の5枚と最後の5枚では難易度の違いがあり、より難しくなっていく問題を、子どもの学習目標にすべきです
4・はじめて受験対策を行う方は、1年間を大体次のように考えておいてください
11月~4月 基礎段階の学習(具体物中心の学習)
5月~7月 応用段階の学習 過去問練習・難問練習(ペーパー中心の学習)
8月~10月 実践トレーニング・最後の総まとめ・予想問題トレーニング
父親の子育て参加は大事ですが、やはりキーパーソンは母親です
受験対策は、家族一丸となって取り組んでください。また机に向ってのペーパー学習だけが受験対策ではないことをしっかり踏まえ、いろいろな経験を家族一緒にしてください。父親の子育て参加は、子どもだけでなく、母親の精神的な健康管理にも有効です。噂話に右往左往しがちな母親だけの受験対策では、とても辛い状況は乗り越えていけません。父親の子育て参加は、お母さんにゆとりを与えることができ、そのことが子どもとの関係作りにとても意味があります。いまや母子関係のあり方が、合否を左右するといっても過言ではありません。その意味でも、やはり合格のためのキーパーソンは「母親」です。
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