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この時期に、志望校の過去問の半分も正解出来ていません。志望校を変えた方が良いでしょうか。 |
久野泰可先生からのお答え
結論からお伝えしましょう。夏休みを過ぎた今の時期に、志望校の過去問の半分も理解できていないような学力の現状であれば、その志望校は変えた方が良いと思います。一般的な準備からいえば、今の時期には過去問はすべて理解できていなければいけません。しかし一方で過去問が全部理解できるような学力を持っていても、実際の試験に合格できるかどうかの保証はありません。それは次のような理由からです。
1.学力試験の結果が合否に占めるウエイトが学校によって違い、中学入試や高校入試のように「学力試験がすべて」の発想で小学校入試の合否は予想できない。
2.それは学力は合格ラインに到達していても「行動観察」や「表現発表力」に象徴される学力以外の観点でどれだけ得点できるかどうかということでもある。
3.同じレベルの問題が出ても、新しいはじめての問題にどれだけ取り組むことが出来るかどうか。応用する力がどれだけ身についているかどうかが問われる。
学力がすべての小学校入試ではありませんから、学力がそれほど高くなくても合格している例はあるという指摘は間違ってはいません。しかし、それでもその学校が定めた、最低合格ラインの学力はあったはずです。
その合格ラインが学校によってまちまちであるところが小学校入試なのです。ですから一方で、学力は相当高い子でも合格できないという事実があるのです。それは何を意味しているのか。こう考えるべきです。最低合格ラインを超えていれば、偏差値が65でも57でも「学力試験合格」は変わらず、あとは学力以外の観点で合否が決まるということです。そのとき65と57の差は問題にはならないということでしょう。だからこそ模擬テストで高得点しても、合格できない子どもたちが出てくるのです。
今の時期に過去問が出来ないということは、受験指導の原則から言えばありえないことですが、対策をはじめたのが遅かったのか、家庭学習だけで準備してきたため、まだすべての学習が終了していないのか、何らかの理由があるはずです。その理由如何によっては、まだまだ学力は伸ばせるはずですし、本番ぎりぎりまで学力を伸ばすことはできますから、これまでの準備のあり方との兼ね合いで判断すべきだと思います。
一年がかりで準備してきたとすれば、夏休みまでにすべての領域の基礎学習を終え、過去問トレーニングは夏に完璧にやっておく必要があったと思います。
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