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夏の総点検をどのようにしたらよいのでしょうか
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久野泰可先生からのお答え
夏休みは、難しい過去問のトレーニングをするだけでなく、これまで学習してきたことを総点検する時期でもあります。
だいぶ以前に学習したことを忘れてしまい、テストのたびに「こんな簡単な問題をなぜ間違うの」と子どもを責めたくなることも多いものです。そのためも、本当に基礎学力が身についているのかどうかを点検しなくてはなりません。
いろいろな点検素材がありますので、身近にあるそうしたものを使えば良いと思いますが「ひとりでとっくん365日テスト」が年4回発行されていますので、是非それを使ってこれまで学習してきたことを点検してください。その際是非行っていただきたいことは、「なぜそうなるの?」と、答えの根拠を説明させることです。そこで、きちんと説明できれば、確実に身についていると判断できます。しかし意外と簡単なものでも説明できないものがあります。最初の頃に学習した際、解き方を教え込まれた問題は、十分理解できていませんから説明できないのです。そうしたことがないかどうか、自分の考えを言語化させ点検してください。
ただ基礎学力の点検の際、あまり易しすぎる問題を使うと、子どもによっては興味を示さず、集中力を欠いてしまう場合が考えられます。
偏差値が60以上ある子には、かえってマイナスになる場合もありますので、そうした子の場合の点検方法は、必ず難しい問題も織り交ぜながら行うということです。
9月以降、基本に戻って復習する場合も同じように、ちょっと背伸びさせるような問題を入れながら総点検をしないと「もうやったことだから、したくない」と、復習を拒絶する子も出てきます。そうすると、これまでのように学習すること自体に興味を持てなくなってしまいますので、復習の仕方を工夫しなくてはなりません。
例えば、子どもに先生役をやらせ問題をつくらせる方法も有効です。本当に理解していなければ、ペーパーを見ても質問できないはずですから、この方法も有効です。また、どんな問題も、設問を工夫してください。今までと同じペーパーを使いながら、質問が違うとわかると、子どももしっかり構えてがんばろうとします。例えば、方眼上の移動で「上に4、左に3、下に2、動くとどこにつきますか」という問題があったら、「上に4左に3動いてここに着きました。最初どこにいたのでしょうか」というように、出発点を探す問題に変えてしまうことです。こうした逆思考の移動問題は難しいのですが、子どもも新鮮な気持ちで取り組みますから、そうした問題を通して基礎学力を点検することも出来ます。
同じ問題の繰り返しでは、子どもも飽き飽きしてしまう面も出てきますから、直前の点検でも、少し難しい問題を加えながら「復習総点検」を行うのが良いと思います。それぞれの領域の学習課題については、こぐま会のホームページで私が担当している「学習相談」を是非参考にしてください。
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