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図形の問題で、必要なピースに○や、どれとどれを合わせればできるか、はできます。しかし、この形を作るのに使わないものに○をつけましょうとなると不正解が目立ちます。皆さんそうなのですか。どのような事に心掛けて学習すれば、間違わなくなるのでしょうか。
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久野泰可先生からのお答え
問題を難しくする方法は、どんな問題においても余分な要素を入れることです。
図形のパズルであれば、使わないピースを入れることによって図形構成は難しくなります。その使わないピースを探すためには、使うピースと使わないピースとに分けなくてはなりません。
使うピースをまず選びその結果として使わないピースを探すのならば、問題なくできるはずです。しかし幼児の場合「この形を作るのに使わないものに○・・・」と問われた時、まず使うピースを探そうとは考えません。使わないピースはどれだろう・・という目で探すため問題がより難しくなってしまうのです。つまり、ある質問をされたとき、別な視点(この場合は使うピースはどれだろう)に立てないのです。だからこそ不正解になることが多いのです。
例えばシーソーの四者関係で「三番目に重いものはどれですか」だけを問われた時、結構間違いが目立ちます。その子に「じゃあ一番重いものはどれ」と聞けばちゃんと答えられるのです。つまり「三番目に重いもの」が問われた時、一番重いのはこれで、二番目はこれで・・・だから三番目はこれと考えればできるものを「三番目」だけを問われると、その視点しか見えないために、解く手立てを見失ってしまうのです。
問題を難問化する別な方法の一つに「違う観点から問いかける」という方法があります。今回の質問は、まさしくその方法をとっているわけで「使うピース」を探させるのではなく、「使わないピース」を探すというように、逆から問いかけているのです。
最近流行の「逆思考」の問題にも共通している面があり、子どもたちが普段考えようとしない方法、あるいは普段の学習において、あまり問いかけられない方法で問われると、お手上げになってしまう場合が少なくありません。ですから今後入試問題を難問化する一つの方法として、普段あまり問いかけない方法で問いかけてくる場合が増えてきますから、どんな質問にも答えていけるよう、普段から同じ問題でも、違った角度からの質問をして学習していくことが大切です。
「逆からの質問は必ずありえる」と考えておけば、学習の視点が豊富になり、それだけ子どもの思考力が鍛えられるということです。
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