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夏休みは、難しい問題に挑戦する時期だとよく言われます。どんな内容を重点的に学習したら良いのでしょうか。
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久野泰可先生からのお答え
夏休みは、基礎的な事項の点検をすると同時に、過去問の中から、難しい問題を選びその問題に挑戦すべき時期でもあります。難しい問題を入試直前に行って自信を無くすことを避けなくてはなりません。ですから入試1ヵ月前からは基本問題に戻ります。そのために、この夏休みが難問対策のチャンスなのです。遅くとも9月いっぱいまでに難問対策を終えなくてはなりません。
ではいったい難問とは何でしょうか。テストの平均点を下げる方法は、いくつもあります。
@ 論理的思考力が求められる難しい内容を出題する
A 時間制限を厳しくする
B 指示する内容を多くして、聞き取りの段階で難しくする
C 余分な要素を入れて作業を複雑にする
このようにして、模擬テストなどの平均点を下げることはできます。しかし最近の模擬テストの内容を見ると、入試の実態からかけ離れた難問・奇問が多いのに驚きます。入試の実態を知らない素人が作る問題の中に、そうした問題が多く見受けられます。そんな問題はできなくて当然です。実際の入試で出される問題には、そうした振り落とすための難問・奇問はありません。すべての問題に、はっきりとした出題根拠があります。私のいう難問とは、出題根拠がはっきりしていて論理性が求められる問題です。それがそれぞれの学習領域にあるということです。その内容を以下に掲げますので、この夏休みにしっかり学習してください。
未測量 量の保存・シーソー・つりあい・言葉による三者関係の理解・逆対応
位置表象 四方からの観察・音による方眼上の移動・地図上の移動・回転位置移動
数 複合問題(一度答えを出してから、もう一度違う数の操作を必要とする問題)
一対多対応の応用・数のやりとり・交換・二重分類
図形 立体模写・図形分割・対称図形・重ね図形・回転図形
言語 しりとり応用・言葉作り(一音一文字応用)・話の内容理解(質問の多様化)
推理・その他 魔法の箱・観覧車(回転推理)・鏡映像
また難問化する要素として「逆から問う」問題が増えています。既存の問題を逆から問われたらどうなるかを考え、工夫したトレーニングを行ってください。難問を学習する際のポイントは、必ず答えの根拠を言葉で説明させることです。解き方を教え込んでも応用する力は身につきません。ぜひ子ども自身の力で解かせ、その根拠を説明させてください。それこそが私たちが実践する「対話教育」です。
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