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ひとりでとっくん365日09号の学習法と注意点を教えてください。
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久野泰可先生からのお答え
09号の内容は応用段階の学習です。こぐま会の「ステップ5」の内容に関連しており、教室授業ではすでに5月末から始まっている内容です。「ステップ4」までの基礎学習をふまえたやや難しい応用問題です。この中で特に重要なものは…
@ 逆対応
A 四方からの観察
B 10の構成
C 線対称
D 魔法の箱
の5つです。
これら5つの課題について学習のポイントを簡単にお伝えしましょう。
逆対応
この課題の典型的な問題は、残ったジュースの量から飲んだ量を系列化する問題です。多く飲めば残りは少なく、少なく飲めば残りは多い…ということは生活感覚ですぐにわかります。ですから一番多く飲んだ人や一番少なく飲んでいる人はすぐにわかります。しかし、6人の中で4番目にたくさん飲んだ人・・・となると間違いが目立ちます。それは残った量の多いほうから4番目を探してしまうからです。4番目にたくさん飲んだ人を探すには、一番少ないものから1番目・・2番目・・・と探していかなくてはならないのに、量の多い方から1番目・・2番目・・・としてしまうのです。つまり目に見えた量の多いほうから順に選んでしまうということです。このように生活感覚でわかるレベルの問題と、論理的に考えて解かなくてはならない問題があるということです。
四方からの観察
この課題は07号・08号でも扱いました。今回は積み木を使った三者の関係であったり、鏡映像との違いを考えさせたり、自分で3つのものの見え方を描いたり…と四方からの観察の中では一番難しい問いかけの方法です。特に鏡の映り方と向こうから見たものの見え方をしっかり判別できるようにしてください。今後、入試問題になりうる複合問題の一つですからしっかり練習してください。また積み木のような半具体物になると、判断の基準をどこに持つかという点で難しくなります。こうした問題が既に入試問題になっていますので、よく練習してください。
10の構成
数の構成の一つですが、大きい数になると暗算で答えを出すのに苦労します。これまで5や7を扱ってきましたが「10の構成」が入試でよく出される背景には、1年生の後半で学習する「繰り上がり」「繰り下がり」の計算スピードを上げる…ということと深くかかわっています。つまり「繰り上がり」も「繰り下がり」も必ず10の理解が絡んできます。なぜでしょうか?それは現在の指導法を見ればその理由は、はっきりとしています。たとえば、「8+6」の計算は、まず10に近い8に、あといくつあれば10になるかを考えます。2あればよいわけですから、その2を6からもらいます。すると4残ります。10ができ4が残るので合わせて14となるのです。次に「14−8」はどうでしょう。4から8は引けませんから、10から8を引いて2、その2と4を合わせて6という具合です。
「10」が必ず問題になるため、「10の構成」が早く理解できれば計算スピードも上がるというわけです。
しかも1が10集まり10、10が10集まり100、100が10集まり1000というように「10」は十進構造の要になりますので、入試でもよく出されるのだと思います。今のうちから「10の構成」について深く理解しておくと小学校入学後大変役立つと思います。10の場合は「いくつといくつ」だけでなく「いくつといくつといくつ」というように3つの数での合成についても、しっかり練習しておいてください。
線対称
小学校入試で「線対称」として出題される問題は大きく分けて2つあります。その1つは折り紙を使った課題です。もう1つは真ん中の線で折り曲げたときに、ちょうどピッタリ重なるように絵や形を描く課題です。折り紙を使った課題は、2つ折りと4つ折りの場合がありますが、やはり入試では4つ折りの方が多く出題されます。「指示した通りに切って開くとどんな形が切れているか」という課題と、開いた時に「指示した形ができるようにするためには、ドコをどんな風に切ればよいか」を問う問題です。折り紙の中心がどこにいくのかをしっかり見定める必要があり、同じ切り方でも違う場所を切ると違った形ができるということを、しっかり押さえておかなくてはなりません。
中心線の反対側に重なるように描く課題では、方眼を使う場合とフリーハンドで描かせる場合とがあります。学校によってどちらで出題するかの傾向はあるようですが、どちらで問われても答えていけるようにしておかなくてはなりません。
魔法の箱
箱を通過することによってある変化が加えられ、その変化の法則性を発見して最後に入れるものが、どのように変化してでてくるかを予想する問題です。一般的に数の変化に関する問題が多いのですが、数以外にも「色の変化」「位置の変化」「成長」「好きな食べ物」などいろいろあります。この魔法の箱のポイントは、最初の例示で変化の法則性をきめつけてしまわないことです。最初の変化で、変化の法則性について見当をつけることはいいのですが、必ず2例目を見て結論を出すことです。例えば2を入れたら4が出てきたとします。この場合、2個増えたともいえますし、倍になった(子どもたちには倍の概念はありませんから、入れた数と同じ数だけ増やしてくれると考えます)ともいえます。2例目が、4を入れたら6が出てくれば2個増えたといえますし、4を入れたら8が出てきたということになれば倍になったといえます。そうすると最後に3を入れた場合、前者であれば答えは5、後者であれば6ということになります。
数の変化は増える場合と減る場合があります。増える場合は、一定数増える場合と倍になる場合とがあり、減る場合は一定数減る場合と半分になる場合とがあります。いろいろな問題にあたり、法則性の見つけ方をしっかり身につけてください。
この他にも、展開図・数の増減・反対言葉・具体物の記憶など、大事な課題がたくさんあります。基本をしっかり確認したうえで難しい問題にも挑戦してください。また、これまで学習してきたことが本当に身についているのかも、時々チェックしてください。今の時期であればペーパーを中心としたチェックで充分対応できると思いますので、やや難しい問題も含め確認してください。ひとりでとっくん365日01号〜04号までの内容は「ひとりでとっくん365日テスト01−04」で、また05号〜08号までの内容は、「ひとりでとっくん365日テスト05−08」で確認してください。
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