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「ひとりでとっくん365日08号」の学習方法と注意点を教えて下さい。
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久野泰可先生からのお答え
ひとりでとっくん365日 08号は、年長6月の学習教材になります。こぐま会の授業では、基礎段階の最後である「ステップ4」の学習に関連しています。基礎とはいえ、入試問題の多くがこのステップで学習する内容と関係があります。その意味で、とても大事なステップです。ステップ4の内容は、07号と08号に分散して編集してありますが、08号で大事な内容は以下の通りです。
@ 言葉による関係推理
A 四方からの観察
B 包含除
C 昔話
D 回転推理
では、各単元の学習ポイントをお伝えします。
@「言葉による関係推理」
シーソーは重さ比べの一つですが、見方を変えると、「関係推理」の課題でもあります。関係推理の問題は,場面があってそれを見ながら考える問題と、お話を聞いて関係を考える問題があります。言葉による関係推理は、お話だけで関係を考える問題で、その関係の説明の仕方と、設問の仕方の組み合わせによって難易度が決まってきます。たとえば、「AよりBが遠く、BよりCが遠い」という説明があって、「遠い順に聞かれる場合」と、「近い順に聞かれる場合」、また、「2番目に遠いのは誰か」を聞かれる場合では、難易度が違ってきます。ですから簡単なものから難しいものへ学習の順序を考えて、練習する必要があります。
A 「四方からの観察」
07号で学習したものは、選択肢の中から、正しいものを選ぶ形式の問題でした。しかし、08号では、反対側からの見え方を自分で描く課題です。2つ以上のものになると、それぞれの物が置かれている位置の左右関係だけでなく,そのものが持っているものの(たとえば、カップの持つところ・花の傾きなど)左右関係も問題になってきて、考える観点がひとつだけではありません。こうした問題を通して、本当に理解しているかどうかを確認してください。2つの物の関係が難しければ、まずひとつのものを反対側から見た場合の見え方を描いてください。
B 「包含除」
一対多対応は、「掛け算」の考え方につながる大事な学習でした。包含除は、それを逆にした、「割り算」の考え方につながる内容です。ある数の中に、指定の数のまとまりがいくつあるかを考える問題ですが、問題の中身は遊びや生活に密着したものですから、わかりやすいと思います。12ぐらいまでは、暗算で答えが出るように練習してほしいと思いますが、それを超えた数やわからなかった場合は、○でくくる方法を身につけてください。「一対多対応」と「包含除」が複合された問題が入試では出やすいと思いますので、基本が理解できたら、そうした応用問題にも挑戦してください。
C 「昔話」
「話の内容理解」の素材として、昔話が使われるケースは以前からありましたが、最近の入試では、昔話の内容を知っているという前提で、問題が出されることが多くなりました。ですから、常識問題としてとらえられているのです。登場人物と場面を結びつけたり、場面の順序を考えたり、共通する登場人物を探したり、仲間はずれの形式で登場人物を聞いたり…いろいろな形で出題されています。また、口頭試問の一つとして昔話がテーマとなり、「好きな昔話は?」と聞いたあと、「ではどんなお話か教えてください」というように、話の内容を手短にまとめて話さなくてはならない場面が出てきます。その対策として、典型的な昔話については、「どんなお話?」と聞かれたとき、大事なところをまとめて話ができるように、練習しておく必要があります。
D 「回転推理」
回転推理の典型は、「観覧車」ですが、他にも「ルーレット」や「立方体の回転」があります。それぞれに問題の特徴がありますので、一つ一つ具体的に解いていかなくてはなりませんが、観覧車とルーレットでは、やや共通した面がありますので、観覧車を徹底して学習するのが良いと思います。
観覧車の問題は、大きく分けて2つの質問形式があります。それは、AがBのところに移動すると「Bはどこに行きますか」という質問と「Aのところには誰が来ますか」という質問です。結果として、同じ数だけ進む場合と同じ数だけ戻らなくてはならない場合とがあります。当然、同じ数だけ戻る後者の方が難しくなります。なぜ戻らなくてはならないのかをしっかり理解させてから、戻る練習をしてください。
以上5つの課題以外にも、「図形分割」や「社会的常識問題」など大事な課題もあります。特に図形分割は、図形構成との関連で出されることが多くなってきていますので、パズル類も活用しながら、図形センスを身につけてください。
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