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HOME>こぐま会代表 久野先生に聞いてみよう! 5

 こぐま会代表 久野泰可先生に聞いてみよう!

読者の皆様から、幼児教育や小学校受験学習についてのご質問やお問い合わせを多く頂戴いたします。また、問題集や教材の使用方法についてのご質問も増えております。
小学校受験新聞では、幼児教育、小学校受験学習、教材の使用方法など質問について、幼児教育実践研究所 こぐま会 代表 久野泰可先生にお答えいただき、皆様の家庭学習の参考にしていただければと思っております。


家庭学習や教材、小学校受験に関することなどの質問を受け付けております。ご質問の多いものの中から弊社で選び、久野先生にお答えいただきます。

 久野先生に質問がある方はこちらから

 

第5回

 「ひとりでとっくん365日 07号」の学習方法と注意点
  について教えて下さい。


久野泰可先生からのお答え


ひとりでとっくん365日 07号は、年長5月の学習になります。
こぐま会の授業では、基礎段階の最後である「ステップ4」の学習に相当します。基礎とはいえ、入試問題の多くがこのステップで学習する内容と関係があります。その意味で、とても大事なステップです。ステップ4の内容は、08号とも関係がありますが、07号の中で大事な内容をどのように学習したらよいか、簡単にまとめてみましょう。07号で大事な内容は、次の5つです。

@ シーソー4・5者関係

A 四方からの観察

B 一対多対応

C 図形分割

D 方眼上の移動

 

@「シーソー4・5者関係」

シーソーは、重さ比べの一つであると同時に、関係推理の問題でもあります。関係推理の問題として考えれば、基本は三者関係の推理です。AとB.BとCの関係から全体の重さの関係を理解するものですが、最近の入試問題では四者関係の理解が多く出されます。三者関係の理解では、易しすぎるのかもしれません。四者関係の理解は、3つ以上の場面になりますから、関係が複雑になります。しかし、これまでの入試問題では、1番重いものと2番目に重いものが比べ、同じように2番目と3番目、3番目と4番目が比べるため、3つの場面で済みますが、1番と3番を比べたり、2番と4番を比べたりする場面が入ってくるとシーソーの場面が3つだけでなく、4つであったり5つであったりするような問題も出される可能性があります。場面が増えればそれだけ、関係が複雑になりますから、難しくなります。こうした問題も解けるよう、練習する必要があります。

 

A 「四方からの観察」

一つのものを違った場所から見た場合の見え方を、その場に行かないで考える問題です。特に自分とは反対の立場から見た場合、左右が逆になることがわかるかどうかという点が難しく、左右関係の理解が絡む問題の中では入試でも良く出される課題です。また、視点を変えて考えるという意味でも大事な課題です。場所が違うと、見え方も違うということを理解することがこの学習の始まりですから、まず、ヤカンなど左右がはっきりするものを、4つの場所から写生させるのが良いと思います。そのうえで、いろいろな問題にあたってください。最初は、選択肢の中から選ぶ問題、次に指定の場所からの見え方をその場に行かないで描く課題へと進めてください。1つのものの見え方が理解できるようになったら、2つ〜3つのものの見え方を学習してください。最近は、積み木などもよく使われています。どこに着目して判断したらよいかという点で、具体物よりも難しい課題となります。

B 「一対多対応」

掛け算の考え方の基礎となる、一対多対応は、入試問題の数の中では出題頻度の高い問題です。お客さんの数とひとりに配る個数をいろいろ変え、全体でいくつ必要かを考えたリ、車種によって変わるタイヤの全体の数を考えさせたりする課題が良く出されます。一に対して二以上の数が対応する課題ですから、全体の数が10を超えることが多く、暗算で答えを出すのは難しいと思います。掛け算九九の計算は、2年生になってからやれば良いことです。今やるべきことはどんな作業をすれば全体の数がわかるか、その手続きをしっかり身につけることです。「一人分・二人分…」「一台分・二台分…」というような作業を繰り返し、その結果全体の数が解ればよいのです。暗算して全体の数を出す必要は全くないのです。どのような作業をすれば、答えが出るのかをしっかり身につけることの方が大事です。シーソーにおける「つりあい」の問題も、この一対多対応の考え方を使えば、簡単に解けます。

C「図形分割」

図形分割は、図形構成の逆行為ですから、関連付けて学習するのが良いと思います。基本図形の構成と分割・三角パズルによる構成と分割・・・・という具合に、構成と分割をセットにして学習するのが効果的です。特に分割の場合は、分割線をどのように入れられるかがポイントですが、この分割線の入れ方は、図形構成がよく分かっているとスムースにできるようです。折り紙を実際に切ってみるとか、大きさの違う△を使って、見本と同じものを構成するなどの練習はとても効果的だと思います。

D「方眼上の移動」

方眼上を、指示に従って移動する課題です。上下左右の4方向に動きますが、指示をしっかり聞くことができれば、それほど難しい問題ではありません。ただ指示の出し方が、言葉だけでなく、音の場合もあります。鳴った楽器の音の種類によって動く方向を決めておき、いくつかの楽器を聞いたあと動くような課題です。記憶の要素が相当絡んだ問題のため、間違いが目立ちます。言葉による指示の場合でも、方向の指示は3つぐらいが一般的です。また、初歩的なミスとして、今止まっている場所を「1」に数えてしまうことがありますが、双六と同じで、次が「1」であることを徹底し、「方眼上の位置」の見つけ方と「方眼上の位置移動」の数え方が混同しないように、よく練習してください。

以上5つの課題以外にも、「仲間はずれ」や「理科的常識問題」など大事な課題もあります。特に昔からある仲間はずれは、「なぜ仲間はずれなのか」がしっかり説明できるようにしてください。仲間はずれとして取り出したものの特徴を言うのではなく、残ったものの共通点が何かをしっかり言語化できるように練習してください。

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