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「1日に何時間の学習が必要でしょうか」 |
久野泰可先生からのお答え
「秋の受験に向けて、毎日どのくらい学習したら良いか」という質問をよく受けます。
理解力に個人差があるし、家庭環境(母親が仕事をしている・弟や妹がいる…)も違いますから、何時間やらなくてはだめだということはありません。合格者の方からのアンケートを見ても、毎日3時間学習した方もいれば、朝の1時間しかできなかったという方もおります。また、平日と土曜・日曜日では違うし、夏休み期間でも違います。また、同じような質問で、「毎日何枚くらいペーパーをこなしたらよいか」の質問もよく受けます。時間や問題数といった量で示すことができれば、わかりやすくて良いのですが、それはあまり意味のないことです。それよりも大事な学習方法について、まずポイントをお伝えしましょう。
@ ペーパー学習だけが、受験準備のための学習ではありません。
机に向かわなくても、やらなくてはならないことがたくさんあることをまず念頭に置いてください。
A 秋の入試までの学習計画をしっかり立ててください。
B 教室に通っている方は、教室での学習進度に合わせて、復習を中心とした家庭学習を徹底してください。また、教え方も教室と家庭が異なっていては子どもが混乱するだけですので、教室での指導の仕方をしっかり聞き、それにそろえて家庭でも徹底することが大事です。
C 志望する学校の傾向に合わせた学習をしなくてはなりませんが、基礎を固める段階の学習では、その学校の入試で、「出る−出ない」に関係なく各領域満遍無く学習してください。
D 教室に通わず、家庭学習だけで対策を考えている方は、ペーパー学習の前に、具体物やカードを使ったトレーニングを徹底してください。
E 過去問は基礎がしっかり固まる6月以降集中して取り組んでください。学習の最初から過去問に取り組ませるようなことは絶対にしないでください。
E 入試問題の8割は、基本問題です。ですから難問は、7月〜9月までの夏休みに挑戦させてください。自分の力で解かなくては何の意味もありませんから、早いうちから難問を…と考えず、基礎学力をしっかり固めてからじっくり取り組んでください。
こうした点を考えれば、必然的に毎日どれくらい学習しなくてはならないかが、わかってくるはずです。
目安として、一日2時間くらいが必要でしょう。ただ、お稽古がある日とない日とでは違うし、当然、平日と土日で違ってきます。そうした前提の上で、もうすこし細かな注意点をお伝えします。
(A)ひとつの課題に集中できる時間は30分が限度です。ですから、ペーパーをやったら手先の巧緻性・・というように、課題を変えてください。そうすれば、1時間半でも集中できます。
(B)幼稚園や保育園に行く前の、朝の時間が一番効果的です。30分でも良いので時間を作り、主にペーパーをテスト形式で行ってください。
(C)基礎が固まった段階では、ペーパーを一枚やっては答え合わせをして・・・・・ではなく、5〜6枚を一挙にテスト形式で行い、答え合わせはその後でまとめて行うことが大事です。その方が、試験の実態にもあっているし、集中して取り組めます。
(D)父親の協力が必要です。土日だけでもお父さんに見てもらってください。その方が子どもも、新鮮な気持ちで学習に取り組めるはずです。
学習時間やペーパーの量は、わかりやすい指標ですが、個人差を考えれば、あまりこうしなくてはならない…と考えない方が良いと思います。それよりも、学習進度に沿ったテストで理解力を点検し、ともかく当面のテストでよい結果が出るように頑張る…その延長に本番の試験があれば一番効果的な学習ができるはずです。
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