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4月の家庭学習方法や注意点を教えて下さい。 |
久野泰可先生からのお答え
4月にはいり、入試まであと半年余りとなりました。
入試に向けた学習は、ほぼ基礎固めができ、これから応用問題や過去問のトレーニングに入る時期だと思います。入試問題の中には、確かに難しい問題もありますが、それはごく一部です。難しいとされる問題は、全体の2割弱だと思います。ですから、基礎学力をしっかり固め、やさしい問題を落とさずしっかり得点できるようにすることが大事です。
こぐま会で発行している、「ひとりでとっくん365日」を使って入試対策を進めている方も多いと思いますが、4月の学習は06号の学習になります。その内容も含めて、01〜06号の内容の中には、入試でよく出される課題がいくつもあります。それをまず列挙してみましょう。
未測量 シーソー・関係推理・単位の考え方・順対応
位置表象 方眼を使った位置の対応・右手左手・地図上の移動・方眼上の位置
数 一対一対応・数の多少・分類・数の等分
図形 基本図形の模写・つみ木の構成・同図形発見・点図形
言語 一音一文字・同頭音同尾音・しりとり・動き言葉・話の内容理解・お話づくり
推理 図形系列・鏡映像・条件迷路
こうした内容は、これからの応用学習の基礎になるとともに、そのまま入試問題にもなる内容です。ですから、簡単だからと言って軽視しないよう、どこから問われても答えていけるよう、十分練習してください。
受験のための学習をすでに半年以上積み上げている方は、これまで、具体物やカード教材を使った学習を進め、考え方の基礎をしっかり身につけてきたと思います。しかし、ペーパーだけで学習してきた方は、基本となる考え方が身につかず、これからの応用問題で壁にぶつかることも考えられます。時間的なゆとりがある今のうちに、考え方の基本をもう一度具体物やカード教材を使って、確認しておいてください。答えの根拠を自分で言語化できなければ、本当に解ったことになりません。
具体物やカード教材を中心に学習してきた方にとっては、これからがペーパー本番の時期です。これまで身につけてきた考え方をペーパートレーニングによって確認し、さらにすそ野を広げるために、いろいろな問題にあたってください。もしわからないことがあったら、これまで学習してきた基本に戻って確認してください。
ところで、この時期に顕在化する学習面での問題点は、次のようなものです。
@ これまで興味を持っていた勉強に興味を示さなくなる
A 家ではできているのに、模擬テストになると点が取れない
B 1回の指示では問題の意図がつかめず、何をどう答えたら良いのかがわからない
C 時間制限内にできないことが多い
D 答えは正しいのに、答えの根拠を説明できない
E 聞き取りミスが目立つようになる
F 難しい問題はできるのに、基本となる問題で間違うことが多い
こうした問題が起こる背景はいろいろありますが、はっきりしていることは、
(A) 学習内容が格段に難しくなってきているため、基礎ができている子と、できていない子の差が大きく出てしまう
(B) 模擬テスト等を通して、「できる―できない」が子ども自身にもわかるようになり、そのことが苦手意識を生み、学習意欲を低下させてしまう
(C) テスト等の結果がたくさん出てくると、学習面において「母子関係」がうまくいかず、感情的なかかわりが多くなってしまう
この他にも個人的な理由はたくさんありますが、大事なこの時期に「学習への興味」をなくされては困りますので、ご家庭でも学習の動機づけをいろいろ工夫してみてください。子どもの間違いには必ず原因がある・・・・と考え、子どもが何に対して壁を感じているのかをしっかりつかみ、それを改善する手だてを工夫する必要があります。
ADFの問題は、本当に理解していないから起こっていると考えるべきです。周りの大人も子ども自身も、わかったつもりになっていることが原因です。それを解決するには、親があせらないこととペーパーだけの学習をやめることです。基本事項の理解にじっくり時間をかければ、必ず解決するはずです。また、BCEの問題は、これからすべきトレーニングの課題にしていけば、時間的にも十分間に合い解決できると思いますので、じっくり取り組んでください。
久野先生に質問のある方はこちらから
3月までの学習の確認はこちら (こぐま会HP 学習相談Q&A)
久野先生のコラムはこちら (こぐま会HP 室長のコラム) |