第6回
前回は5領域についてお伝えをしましたが、今回はその他の単元についてお伝えいたします。今回の内容は教え込みでできるようになる内容ではありません。じっくり時間をかけて繰り返し行うことで習得していく課題がほとんどです。焦らずに取り組んでいくようにしましょう。
1. 記憶
記憶の課題は、具体物の記憶、絵の記憶、位置の記憶などがあります。これは子どもの集中力を見ているといってもよいでしょう。覚えようという気持ちが大切です。こうした課題は、学習というよりは日常生活の中から話をしっかりと聞くことを習慣付けていくことで少しずつ身についていきます。
・箱の中にチョウチョウ、木、ウサギが入っており、何があるのか答える
(雙葉小学校附属幼稚園)
・絵を見て同じ絵を選ぶ
(田園調布雙葉小学校附属幼稚園)
・形の違う木製のビーズの順番を覚え同じように通す
(学習院幼稚園)
2. 運動
運動課題は指示通りできるかというのとともに、3歳児としての身体能力が備わっているかを見ています。ケンケンやスキップ、ケンパーのような一般的な課題から、動物模倣、リズムに合わせた運動などがあります。しっかりと自分で歩き、足腰を鍛えるとともに、天気の良い日には外で思いっきり遊ぶように心がけてください。
・平均台、ケンケン、グーパー、ケンパー、両足跳び、遠投 など
(暁星幼稚園)
・ピアノに合わせて歩く、止まる、しゃがむ、立つ
(白百合学院幼稚園)
・ボールを持ってウサギの周りを走り、かごに入れて戻って座る
(学習院幼稚園)
3. 手先の巧緻性
指先を使う課題を全て手先の巧緻性と呼びます。手先の巧緻性で大切なことは、右手と左手の協応動作と指先の力となります。年齢的にも少しずつ自分の思い通りに動かせるようになってきた頃だと思います。手先の巧緻性は繰り返し行うことで必ず上達していきます。焦らず時間をかけて行うようにしましょう。
・折り紙をちぎってのりで台紙に貼る
(田園調布雙葉小学校附属幼稚園)
・裏返しになった靴下を元に戻す
(白百合学園幼稚園)
・どんぐりの絵をクレヨンで塗り、ストローで貼り付ける
(立教女学院短期大学附属幼稚園天使園)
4.行動観察
行動観察は、ほとんどの幼稚園で行われる課題です。内容は自由遊びが中心となりますが、親子遊びや指示行動、手遊びや歌なども行われます。これらは学習面と違い、普段の生活がそのまま表れるため、子ども本来の力を見ることができます。
・自由遊び
(桐朋幼稚園、東洋英和幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園 他)
・親子遊び
(暁星幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園、学芸大学附属幼稚園竹早園舎 他)
・絵本の読み聞かせ
(東洋英和幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園、白百合学園幼稚園 他)
5.常識
常識課題は季節や食物、生き物に関する問題があります。難しい問題ですが、ご家庭でも季節の行事を経験したり、食べ物や生き物、植物も色々なものに見たり触れたりする経験をするようにしましょう。
・昔話カードの中から間違っているカードを選ぶ
(暁星幼稚園)
・花のカードの中から秋に咲く花はどれか選ぶ
(田園調布雙葉小学校附属幼稚園)
・体の部位の名称
(学習院幼稚園)
前回の@に続き、その他の領域の出題をお伝えしました。傾向の把握と学習対策は必要ですが、詰め込みによる過剰な学習は逆効果となります。日常の生活の中からじっくりと取り組むようにしましょう。今回の出題例を、ぜひ参考にしていただき進めていただければと思います。7月8月になると幼稚園も休みに入りますので次回は夏の過ごし方についてお伝えする予定です。
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