■軽さと丈夫さのバランスが大事
軽さだけでいえば、人工皮革素材の普及と芯材や部品の軽量化によって、最近では1kgを切るどころか、数百gなどという超軽量ランドセルも出てきました。このような超軽量ランドセルは、今まで金属を使用していた部品をプラスティックに替えたり、底板や内装等を省いたり、素材を薄くしたり仕上げを省略したりと様々な工夫をしているようです。
では軽ければ軽い方がいいかというと、そうもいかないところがランドセルの難しいところです。例えば素材で比較すると、軽い素材よりも重い素材の方が丈夫です。軽くするためには、素材の厚さや表面のコーティングを薄くしなくてはいけないからです。クラリーノなどの人工皮革でも、表面のウレタン層を厚くするほど丈夫になりますが、その分素材は重くなります。革も厚さを薄くすれば軽くできるのですが、強度は当然落ちてしまいます。
また、軽量化のために仕上げを省略するということは、見た目の美しさの問題だけでなく、全体の耐久性にかかわってくる問題といえます。かといって、不必要な装飾や仕様を加えるのは、かえって使い心地を悪くすることも考えられるでしょう。ですから、ランドセル選びは軽さと丈夫さのバランスをどのようにとるかがポイントになるのです。
ちなみに、ランドセルは実際に背負ってみると、手で持って感じる重さより随分と軽く感じます。これは背中に背負うために重さが両肩と背中の3点に分散されることと、箱型で身体に密着し、背中の比較的高い位置に固定されるためです。背中の比較的高い位置、つまり首の後ろから肩にかけてのあたりは一番重さをガマンできる箇所ですので、下の方にずり落ちずこの位置で固定できることは重さの軽減には非常に大切なことなのです。
■ランドセルの素材
○牛革の特徴
【頑丈、馴染みやすい、採れる量が多い】 牛革はとにかくとれる量が多い上に、部位による革の品質差が他の動物に較べて小さく、丈夫でしかも仕上がりも美しいために昔から広く使われてきました。そのため、同じ牛革でも牛の成長にともなう重さ、年齢、性別、飼育された場所、屠殺時期などによって大きく革の性質が違い、何種類にも分類されます。なおランドセル用の牛革には、生後3〜6ヶ月以内に去勢された、2才以上のオスの成牛「ステア」の革が多く使われており、当工房で最も人気のある素材「総牛革」も、ステアがベースの素材です。
○コードバン(馬の尻皮)
【繊維が超緻密、磨くと美しい光沢、固くて重い、希少なため高価】
馬革は牛革と比べて繊維構造が粗く、薄くて摩擦抵抗にやや劣り、主として子供靴や裏革等に使われます。但し、「コードバン」と呼ばれる馬のお尻の部分の革は、とても繊維が緻密で丈夫でランドセルや高級靴にしばしば使われます。もともとは農耕馬のお尻の革だけを指していましたが、現在では単に馬のお尻の革を指していうことも多いです。タンニンで鞣され、磨くと鏡のように美しい光沢が出てきます。ちなみにコードバンはお尻の部分でしか取れないので、一頭からランドセルの蓋2枚分しか取れず、ゆえにとても希少で高価な皮革素材です。
○人工皮革
【均質、軽量、型崩れをしにくい、価格が安い】 人工皮革の特徴は、不織布(繊維を薄い層にし、繊維の絡み合った接点を合成樹脂などの接着剤で結合させた布)をベースとし、合成樹脂層に非常に微細な連続した気孔が多数存在する事にあります。ランドセル用の人工皮革は、表面にウレタン樹脂層を塗布し雨やキズ等に強い加工が施してあります。ランドセル用の人工皮革としてはクラレのクラリーノ、帝人のコードレ、カネボウのBELL BIO・ベルエース等が広く知られています。 なお人工皮革は織布をベースとする合成皮革とは全く異なる素材です。
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