■カリタス学園の教育目標
キリスト教の価値観を基礎とする創立者の精神に従い、一人ひとりの可能性を伸ばし普遍的愛を持って人に尽くす人間の育成をめざす。
・神に心を開き信頼する人間を育てる(信)
・一人ひとりの可能性を十全に伸ばす教育(開花)
・普遍的愛を育てる教育(交わり)
・福音的社会をめざして奉仕する人間を育てる教育(奉仕)
■カリタス小学校の教育目標
○神を信じ、人と生き物をいつくしむ
・神の優しさを思い起こし、祈りができる子
・生かされていることに感謝し、自他を大切にできる子
○互いに磨きあって深く考え、創り出していく
・何事にも意欲をもって取り組む子ども
・創意工夫して問題が解決できる子ども
・多面的、総合的に考える子ども
○良心の声にしたがって判断し、実行する
・みんなで力を合わせ、規則正しい生活ができる子ども
・喜んで他者のために働くことができる子ども
・健康な心身をもつ子ども
■教育について
○カトリック教育
カトリックの理念に基づき、他者を思いやる心と奉仕の心を育てます。そのため、週1時間の宗教教育を行うとともに生活の中に祈りの時間を設け、マリア祭、クリスマス会などの宗教行事を通して心の教育に力を入れています。
○基礎学力の重視
どの子どもにも基礎学力を定着させるために、個々の学力に応じた個人指導の徹底を図っています。また、国語・算数・社会・総合以外の教科は専科制をとっています。午後の授業の始まりには練習学習を中心とした「モジュールの時間」を設けるなどして、学習の定着を図っています。
算数は、複数教師による少人数制で、より徹底した指導を行っています。
○総合教育活動
子どもたちがもっている興味や関心をもとに、自然・人間・社会・文化・言語・数・表現などの幅広い分野から題材を選択しています。自然や人とかかわる体験的な学びを通して自発性や創造性を身につけ、問題解決能力を培っています。
○外国語教育
男子は「英語」、女子は「フランス語」を1年生から学びます。正しい発音で日常会話に親しみながら、外国語の基礎力をつけていきます。
○男子のサッカー
男子児童全員で課外活動としてサッカーを行い、心身の鍛練と全男子の交流を図っています。
○その他
・朝の10分間読書
・始業前、3分間の沈黙の祈り
・学年担任の配置
・練習学習(モジュール)の実施 など
■校舎
○教室
教室部分とオープンスペース部分の境目がなく、一体化しています。必要なときには間仕切りのボードを使用し、教室とオープンスペースを仕切ることができます。オープンスペースは学年集会や学級活動、グループ学習などに使用いたします。
○多目的ホール
吹き抜けの天井部分はガラスのため、非常に明るいホールです。学年やクラスの集会、劇の練習など様々な活動に使用いたします。
○音楽室
高学年用、低学年用の2種類の教室がります。椅子を自由に移動して、スペースを広くとることができ、体を動かしてのびのびと活動できるよう配慮しています。
○仏語室
授業ではゲームや動きを取り入れながら仏語のイントネーションを身につけ、外国の文化に親しんでいきます。
○英語室
コンピュータは無線LANのアンテナを各教室に配備し、ノートPCを用いています。
○宗教室
皆でイエス様の話を聞き、お祈りをする場です。聖書の例え話から、自分の生活を振り返ることのできる子を育みます
■カリタス学園の歩み
1953年、カナダのケベック・カリタス修道女会は、戦後日本の社会的緊急課題であった学校教育の充実に応えるため、リタ・デシャエンヌ、ローズ・アンナ・バイヤルジョン、グロリア・ボリューの3人のシスターを派遣しました。
1960年、来日から7年、シスターたちの言葉の壁を乗り越えた献身的な働きによって学校法人カリタス学園が設立され、シスターリタ・デシャエンヌが初代理事長に就任しました。そして翌1961年、現在の川崎市多摩区中野島に初めてのカトリック学校、カリタス女子中学高等学校が誕生しました。真新しい校舎で中学生207名、高校生157名による第1回入学式が行われ、カリタス学園は輝かしいスタートを切りました。
その後、1962年にカリタス幼稚園、1963年にカリタス小学校がそれぞれ開設され、1964年には、現在のカリタス女子短期大学の前身であるカリタス女子高等学校専攻科が設置されましたが、1966年、カリタス女子短期大学(英語科)が開設されたのと同時に専攻科は発展解消し、カリタス学園は幼稚園から短期大学までの総合学園としての姿が整いました。そして短期大学は1981年、キャンパスを横浜市緑区(現、青葉区)あざみ野に移転するとともに、1983年には仏語科を増設しました。カリタス学園が当初から掲げてきた英・仏2つの外国語教育は、幼稚園から短期大学までの一貫教育として体系づけられました。
1985年、カリタス学園は創立25周年を迎え、その記念事業として中学高等学校の新体育館が落成しました。1988年、小学校では新しい教育をめざして「総合教育活動」の研究が始まりました。
そして創立30周年を迎えた1990年、その記念事業である小学校のオープンスクール型新校舎が落成し、中学高等学校の新図書室と屋内プールも完成しました。さらに、この年12月には、カリタス修道女会にとって最も記念すべきことがありました。それは会の創立者、マルグリット・デュービルが教皇ヨハネパウロ二世によって、聖人に列せられたことです。カナダはもとより、日本においても盛大な記念ミサが行われました。
さて、1993年、中学高等学校では個性豊かな教育を行うため、教育課程の大幅な改訂を行い、短期大学では開学30年を迎えた1995年4月、国際化・情報化時代にふさわしい大学教育をめざしてこれまでの英語科・仏語科を統合して、言語文化学科〈英語・英語圏文化専攻、仏語・仏語圏文化専攻、コミュニケーション文化専攻〉1学科3専攻が誕生しました。90年代は施設設備の充実と、教育内容の改革に重点がおかれました。
1999年10月、学園ではこうしたこれまでの歩みを点検評価するため、1年後の創立40周年に向けて「カリタス年」を設定し、「21世紀に生きる福音的学園をめざして」をテーマに教育理念の再構築を図りました。折しも11月には、「総合教育活動」研究10年を迎えた小学校でその公開授業と全国大会が行われました。
2000年、「カリタス年」はクロージングデイを迎えましたが、その大きな第一歩としてこの大聖年に中学高等学校校舎の建替え計画に入り、翌2001年、中学高等学校の新校舎建設に向けたプロジェクトがスタートしました。その後、再構築された教育理念の具現化にふさわしい新校舎が設計され、《校舎でカリタスの教育を語る》をコンセプトに、2006年3月、「聖堂・校舎棟」が、そして、2007年3月「法人・講堂棟」が完成しました。
カリタス学園は、学園創設から47年、揺るぎない教育理念のもとに、常に時代の変化に対応しながら幼稚園・小学校・中学高等学校・短期大学のそれぞれが真摯な姿勢で教育に取り組んでいます。
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