■13:10〜 浮田恭子校長先生のご挨拶
「この4月から校長になりまして、あっという間に3ヶ月が経ちました。立命館は110歳、立命館小学校は5歳です。
立命館が初等教育にチャレンジをする決意をしてくれて、本当に良かったというのが率直な思いです。立命館は小学校を作って何を得たのでしょうか。昨年、関西大学附属小学校ができまして、関関同立4大学すべてに小学校が出来ました。同志社は来年度、さらに国際小学校を作ろうとしておられます。大学を持つ私立学園が小学校をつくるのは、早い段階からの「囲い込み」だ、という一部の報道もありました。
でも、立命館は違います。
ここで、立命館憲章の一部を紹介します。
「立命館は、人類の未来を切り拓くために、学問研究の自由に基づき普遍的な価値の創造と人類的諸課題の解明に邁進する。その教育にあたっては、建学の精神と教学理念に基づき、「未来を信じ、未来に生きる」の精神をもって、確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努める。」
この立命館憲章に基づく教育を行うために、立命館は2006年に小学校という教育の
入り口を作りました。小学校という教育の入り口にたずさわらないで、どうして教育を
語ることが出来るでしょうか。
私は、毎朝校門に立って子どもたちに挨拶をしています。毎日ドラマがありました。4月から3ヶ月見ていますと、子どもたちは友人・先生・両親と触れ合いながら、成長しているのだと分かりました。6・7歳の可能性に溢れるお子さんを立命館に託してくださった保護者の皆さんがどんな願いをもって、どんな気持ちでお子さんを小学校に送り出してくださっているかを、私自身が心で感じながら歩んできた3ヶ月でした
。
立命館は一貫教育をすすめています。そして、
1、確かな学力形成
2、真の国際人を育てる教育
3、豊かな感性を育む教育
4、高い倫理観と自立心を養う教育
この4つを柱して教育をすすめています。
今年4月に初めて卒業生を中学に進ませた経験をもとに、学校内のすべてをチェックし直しています。
私は午前5時に起床して、6時40分に学校に着きます。その時には、すでに2〜3人の先生が来ています。先生方は、万端の用意をして子どもたちと学び合いたい、一瞬一瞬を大切にして学び合いたいという熱い思いを抱いています。
立命館小学校には全国から熱い思いを抱いた先生方が集まってくださいました。ですからこの4年間必死で走ってきました。この4月当初に、先生方にはどちらかというと個人プレーに走りがちな感のあった学校を、チームプレーによって、パワーをもっと高めようとお願いしました。学級通信などを見ますと、私のその思いを真摯に受け止めてくれていると思います。
改革すべき点は、ためらうことなく改革して行くのが立命館の姿です。これからも、どんどん改革していきたいと思っています。
立命館小学校に小学1年生から預かるので、基礎・基本を習得することが大切だと思います。ここに展示している「生け花」は、アフタースクールで子どもたちが生けたものです。
この生け花を見ていただくと分かると思いますが、皆それぞれ違っています。でも決して子どもたちが好き勝手に生けたものではありません。
「生け花」には、「型」が、「ルール」があります。
これが、学力で言えば、基礎・基本だと思うのです。基礎・基本が型やルール、そこから個性が花開いていく、それをしっかり教えていくのが小学校教育だと思うのです。
図工で言えば、図工科で「幸せ色」というものがあるのですが、自分で書いた自分の顔に「幸せ色」を塗っていく。ただ、それだけのシンプルなルールの上に、120人いれば120通りの絵が出来上がります。
算数では、全学年において、授業に2人の先生が入ります。一人ひとりの進度の違いに気付きながら、授業を進めるためです。
英語においては、日本語を一切使わないでレッスンしています。1年生は「ひらがな」を終わり、漢字を習い始めた所です。ですから、まだまだ発達途上の日本語を介して英語を学ぶことは無理があります。日本語を介するのではなく、体を通して身に付く・耳に入ってくる英語を通して、英語を英語のままに受け入れるからこそ体感できるものなのだと思います。こうした、英語教育の成果として、昨年中学3年レベルの英検3級に60%の6年生が合格しています。何故、今、英語と算数の話をしたかと言いますと、6・7歳のお子さんを預かり、20年・30年後に社会で役立つ人間を創るためには、英語と算数が絶対に必要だと思うからです。
これからの日本のことを考えますと、東大をトップに置く受験ヒエラルキーで良いでしょうか。これまでの日本の教育は世界の人と肩を並べ、共生的にやっていける人を育てることに成功していたでしょうか。20年後、30年後を見て、教育を考えるときではないでしょうか。
小学校時点ですから、立命館には今のところ医学部はありませんので、将来はお医者になりたいお子さん、或いは将来は官僚になりたいから東大に行きたいんだ、と考えるお子さんのサポートも、立命館中高の一貫教育の中にコースをつくって取り組んでいく予定です。でもそれはまだまだ20世紀型の教育観だと思うのです。もっともっと子ども達が世界をにはばたいていける、そういう教育をつくりたいというのが立命館の思いです。
ここでしか育たない視野、ここでしか持てない視野を持った次代の担い手を育てたいのです。
これが、初等教育の初めからお預かりすることの意義だと思っています。
この立命館の教育に魅力をお感じになったら、どうか受験していただきたいと思います。
■13:30〜
映像を見ながら、1年学年主任教諭による立命館小学校の1日紹介と最近の行事紹介
■13:45〜
コーラス部によるコーラス披露
■13:55〜
副校長 荒木先生
2011年度入試についての説明
A、考査
B、面接 の2面から判断します。
これは昨年までと同様です。
A、考査の変更点 6点有り
1、時間をかけて、多面的に子どもの良さを見出す
2、じっくりと「聞く」姿勢、態度をみる
3、自分を表現しようとする意欲をみる
4、くらべたり、動かしたり、具体的な活動を通して、考える力をみる
5、年齢に応じて、身につけてほしい生活力、生活経験をみる。
6、問題を精選し、じっくりと考える力をみる。
1の詳細 時間をかけて、多面的に子どもの良さを見出す。
これまでは、直観的に答えるものが多かったかも知れません。これを
反省し、変更しました。考査以外でも、この考えを基本にします。
2の詳細 入学後に伸びるお子さんをみると、人の話しが聞けるお子さんが伸びているようです。ですから、人の話しを「聞く」事を重視しました。
具体的には、こちらから問いかけたり、指示を出したりします。
その人の方を向いて、話を聞き答えることが出来るかどうか。
また、その時の聞く姿勢、態度を見せていただきます。
3の詳細 表現というのは、身体的表現や、お話によるものです。
4の詳細 くっつけたり、離したりすること等を通して、単に記憶の再生だけでない課題解決力・知的好奇心を見せていただきます。
5の詳細 しつけ、挨拶、箸の持ち方、鉛筆の持ち方、社会生活上のルールや道徳心が身に付いているかをみます。ある能力が大人並みというのではなく、年齢相応に身に付いていれば良いです。
6の詳細 出題問題数を少なくして、初めて出会った問いをじっくり考えて解決する方法に変更します。
A 考査の内容
ア:ペーパーテスト・・・ことば、せいかつ、かず、かたち
イ:行動観察
新内容→ ウ:絵をもとにしたお話
ア:ペーパーテストの詳細
文字や数字は出ません。
こちらが語りかけて、それに応答していただきます。
ことば・せいかつ・・・お話がきけて、その内容について理解する。ことば遊びを通して、そのきまりを見つけル事が出来るか。
→しりとり遊びや、表現力、語彙数を増やしてください。
身のまわりの自然、社会の様子をしっかりと見て、生活のルールについて考える事が出来るか。
→今までの経験を問います。保護者の方も良いお手本を見せてください。
かず・かたち・・・数や形が理解できて、きまりが見つけられるか。数や形をくらべたり、動かしたり出来るか。実際の物を使用します。
イ:行動観察の詳細
自分の身の回りの事を自分の力できちんと出来ているか。
年齢相応程度に自分の物を管理出来るか。
→今までに、スモックたたみなどがありました。元気いっぱいに体を動かしたり、何かを表したりできるか。指示に従って、集団で行動できるか。
→試験官の指示に従う。試験官のまねをする、動物のまねをする。指先や道具を器用に使って、何かを作り出す事が出来るか。
→昨年は立命館のRの字を切りました。
新内容→ウ:絵をもとにしたお話の詳細
自分で絵を描き、その内容を話すことが出来るか。
→出来合いの記憶の再生ではなく、きらりと光るお子さまの力を見たい。年齢相応の絵でいいのです。お話もそのお子さんなりの声の大きさで構いません。
B、 面接
※ 保護者への質問
・ 入学志望の理由
・意欲→ 最も重要視します
・ ご家庭の教育観
・ 面接カードの記載事項の確認
この面接を通して12年という長い間を、学校と家庭とが心を1つにして、手を取り合ってお子どもの教育にあたっていけるかを確認したい。一方的ではなく、保護者の方からも、私たちに質問してほしいですし、教育についての熱い思いを語っていただきたいと思っています。
※ 子どもへの質問
・ 入学への意欲
・ 幼稚園や保育園、家庭で頑張っていること
自己実現の意見をしっかり持っているお子さんの入学を希望しています。
大人になったら何になりたいのか。入学したらどんなことがしたいのかを
はっきり言えるお子さんに入学していただきたい。
立命館小学校で「学ぶ楽しさ」、「わかる喜び」を味わってほしい。
教員は全員が、親代わりになって寄り添い、親身になって学習をサポートしていきたいと考えています。
■14:15〜 入試主任による入学願書の書き方、手続きの詳細について説明
■14:30〜 自由解散
希望者には学校案内がありました。
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